『ワイドナショー』で味わった敗北の涙
加賀:放送作家の人と一緒に仕事をするのは初めてだったので、こんなに企画を考えてくれるのかって感動しました。僕らが乗る船を一緒に作ってくれている感じで、すごくありがたかったし、楽しかったですね。
白武:あ、船長発言が出ましたね。加賀くんはすぐ船長ぶりますから(笑)。でも実際、僕は航海士として、「この先にお宝がございますけど船長どうしますか?」って案内している感じです。
賀屋:いやいや、そんなことないですって。最初に収録した時は、めちゃめちゃ楽しかったです。生配信だから、切羽詰まっている状態でなんとかしなきゃいけない。でも、視聴者からコメントでアイデアもらいながら考えるので、少し負担が減るんですよね。
白武:1回目の収録のあと、二人がガッチリ握手していたのを覚えてますよ。
賀屋:そんなスラムダンクのラストシーンみたいなことしてましたっけ? 高揚感はすごくありましたけど……。
白武:してましたよ。いまでこそ芸人さんがネットで生配信をするのも珍しくないけど、当時はYouTubeだとやってる人が少なかった。
加賀:テレビにはまだほとんど出ていない時期で、反響が大きくてちょっと成功した雰囲気になって。
白武:そしたらフジテレビ『ワイドナショー』で「視聴者が取り上げてほしいニュース」として『みんなのかが屋』の名前が挙がったんです。これにはびっくりしましたね。
賀屋:視聴者千人と一緒にコントを作るお笑い芸人として取り上げてくださって。それでスタジオで生でコントを15分で作ることになったんです。一生懸命やったんですが、本当にガチガチになって、大失敗したんですよね。放送されたら芸人生命を失うっていうぐらい。
白武:松本人志さんや東野幸治さんに会うのも初めてですもんね。
加賀:終わって、気付いたらスタジオの隅でめちゃめちゃ泣きました。音が漏れたらいけないので、シクシク音が聞こえないように、お腹だけで泣いた。
賀屋:加賀くんが泣くことはいままでもよくあったので、「また泣いてら~」と思ってたら、僕もめちゃめちゃ涙出てきたんですよね。
白武:でも、それを救うかのように、急遽生放送に切り替わって、かが屋のコントはお蔵入りになりました。
加賀:そうなんです。生放送の最後で、東野さんが「かが屋はお蔵入りになったけど、救われたんちゃうか」みたいに言ってくださって。スベっているのを見られるのはキツイけど、スベってたって言われるのは大丈夫じゃないですか。その放送をきっかけにかが屋の名前を調べてくれた人も多かったみたいです。本当に本当に申し訳ないんですが、神はいる、って正直思いました(笑)。