3時のヒロイン福田麻貴の「容姿ネタ封印」は、世の中が求めていることなのか
福田麻貴「容姿ネタ封印」宣言の衝撃
「容姿をイジるネタは、劇場でもどんどん受けなくなっているのを肌で感じていた、特に“デブ”とか“ブス”とか言ったら全く受け入れない。そのネタをテレビでやった場合、誰かを傷つけてしまうかもと考えてしまう。容姿いじりは大衆的でない」と福田はコメントした。 番組にゲスト出演していたEXITの兼近は「その流れは当然。自分たちが人をいじったり馬鹿にしたりして笑いを取るのは、年上の世代に迎合して行っている」と語った。 これは大変だ。「下ネタと他人の悪口以外に笑いって何があったっけ?」と考えてしまう私など石器時代の人間である。若者が他人をいじる類の笑いを、一切受け付けないとしたら、私にとって仕事的にも私生活の上でも由々しき問題だ。そして、私はそんな嘘っぽい社会を悲観する。あと今度改めて詳しく書きますが、この数週間で容姿ネタに関してじっくり考える機会が何度かあって、私達は容姿に言及するネタを捨てることにしました!思いはまた書きます。エンタはそう決める前に収録したもので、さらに別番組で5月にもう一本そのようなネタが放送されますが、以降は作りません。
— 3時のヒロイン 福田麻貴 (@fukudamaki) April 8, 2021
ネットの書き込みで、芸人がネタを封印するべきか?
私もネットの書き込みのとんちんかんぶりには度々自分の目を疑う。特にタレントの発言に対してのそれは、勘違いの度合いが強い。正義中毒気味のネット言論では「思いやりの裏返し」が理解されにくい。ささいなきっかけで吊るし上げに遭う可能性がある現代社会では、どうしても他人の目ばかり気にすることになる。「こんなことで笑う人」だと思われたくないから、不道徳な笑いを忌み嫌う風潮が生まれるのだと思う。ただ、ネットの書き込みに影響されて、芸人がネタを封印するべきなのだろうか? 福田麻貴は、ネットの書き込みだけを見て件の主張をしているのではなく、劇場で肌で感じたことだという。そうであるならば、現実の確かな一面であると認めなければならないと、私は思った。ただ、「ワイドナショー」を見直し、ネットで福田麻貴の発言を追えば追うほどもやもやとした、納得できない気持ちになった。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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