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1日18時間勤務のタクシードライバーは“睡魔”といかに戦っている?

車で仮眠

写真はイメージです

 一日中、止まると死んでしまうマグロのように、街を走り回るタクシードライバー。もちろん夜中も走る。よく乗客から聞かれることがあるうちのひとつに「睡魔に襲われた時はどんなことして眠気をさますのですか?」という質問がよくある。  タクシードライバーと睡魔は切っても切れないものである。タクシードライバーは一体、どのような戦術で睡魔に戦いを挑んでいるのか。

勤務体系に潜んでいる魔の手

 まずはじめに、タクシードライバーの労働環境を説明した方がいいだろう。タクシーには独特の勤務体系がある。日勤(夜勤)と隔勤。日勤(夜勤)は日中のみの勤務(8時間)であり世間一般の勤務体系であるのに対し、隔勤は隔日勤務である。つまり、1日出勤したら翌日は休み(勤務上は明け番)であり、1日で2日分働いてしまおうという勤務体系である。  したがって、1日の労働時間がかなり長い。勤務時間は18時間(拘束時間21時間以内)であり、そのうち休憩を3時間以上取らなければならないので、実質15時間である。このようにタクシーの魅力の1つに隔日勤務という勤務体系に惹かれ入社した人も少なくない。  月の出勤日は10~13日ほどであり、他の日は自由に使えるのである。趣味をしたり独立のために資格取得の時間にあてるなど『自分の時間』が取れる。サラリーマン時代には手にすることが出来ない自由な時間を手に入れることができるのだ。  しかし、この18時間という長丁場をそう易々とこなせるほど甘くない。この長丁場に必ず付き纏うのが睡魔。睡魔との戦いに敗れ事故を起こし、休日の自由な時間だけではなく、その後の人生の自由までもが奪われてしまうこともある。

何故、睡魔は襲ってくるのか

 ご存じの方も多いと思うが、人は人生の3分の1を睡眠につかう。日頃から睡眠をしっかりとっているからといって決して安心はできない。なぜ、睡眠をしっかりとった人にも睡魔は襲ってくるのか? それは人には眠気の周期がある。その周期は大きく分けて3つの周期リズムがあるらしい。 ①24時間周期(サーカディアンリズム) 午前2時~4時の丑三つ時に1度襲う睡魔。 ②12時間周期(サーカセミディアンリズム) 午前2時~4時と午後14時~16時に2度襲う睡魔。 ③2時間周期(ウルトラディアンリズム) 2時間おきに襲う睡魔。単調な仕事などを長時間するとよく襲ってくる。  隔日勤務のタクシードライバーにとっては大きな周期リズムを2度超えなければならない。それもその時間ともに暇になる時間。長時間の運転により目も神経も酷使している上にもっとも気の緩みやすい時間帯である。
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タクシードライバーのオアシスも
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物流ライター。ライター業の傍らタクシードライバーとして東京23区内を走り回り、さまざまな人との出会いの中から、世の中の動向や世間のつぶやきなど情報収集し発信する。また、最大手宅配会社に長年宅配ドライバーとして勤務した経験とネットワークを活かし、大手経済誌のWEB版などで宅配関連の記事も執筆する。タクシー・宅配業界の現場視点から、「物」・「人」・「運ぶ」・「届ける」をそれぞれハード(荷物・人)だけではなく、ソフト(心と気持ち)の面を中心に記事を執筆中。ブログ「吾は巷のインタビュアー!」

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