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六代目山口組系幹部が明かす、分裂騒動の“最終章”

本部を売却し、海外逃亡? 入江組長が府警と接触した理由

 大阪・ミナミの一角にある千日前商店街。昔ながらのアーケードが延びる商店街には、コロナ禍でも人の往来は絶えず、相応の賑わいをみせている。  表通りから一本入った路地裏に、白壁に覆われた瀟洒なビルが立っている。宅見組の本部事務所だ。  このビルを巡って、のっぴきならない事態が現在進行形で起きている。語るのは、六代目山口組の二次団体幹部のX氏だ。 「二代目宅見組の入江禎組長が、初代から引き継いだ本部ビルを売却して現金化しようとしていることがわかった。豊中市内の自宅も売却したうえ、引退を目論んでいるのです。なぜこう言い切れるかというと、入江組長が相談した先が大阪府警だから。というのも、国家公安委員会から特定抗争指定暴力団とされ、事務所の使用禁止がかかっている現状では、売る相手がヤクザ者でない限り事務所の売却はお上の承認なしに行えない。  そんなことをすれば、買い手が利益供与で挙げられてしまいます。昨今の例外として工藤会の事務所売却がありましたが、これは別事件の被害者への弁済という目的があったから売却できたもの。今の宅見組はそうした状況になく、大阪府警の監督のもと不動産を処分するならば入江組長の引退と宅見組の解散が条件になるのです。  現金化できたら高飛びでも目論んでいたのでしょうが、この話が大阪府警から漏れてしまい、宅見組の若い衆も知るところとなった」
六代目山口組系幹部が明かす分裂騒動の“最終章”

二代目宅見組の入江禎組長

 水面下で進められていた本部ビルの売却話。この一大事に宅見組内部は蜂の巣をつついたような騒ぎになったという。X氏が続ける。 「入江組長は周囲に『2年後に出所する幹部が出てくるまで、しっかり組織を守っていきたい』と説明しており、神戸山口組がどれだけ苦境に立たされようとも組織運営をしていくものと組員たちは思っていた。ところが、実際は組をたたむ方向で動いていた。  結局のところ入江組長はその場しのぎの言い訳で時間を稼いできただけで、本音は髙山若頭と会って話をするのが怖かったのでしょう。しかも、自分の子分のうち誰が六代目に戻るか、どこの組織に行くかまで、捜査当局を通じて耳に入ってしまっている。親子とも疑心暗鬼になってしまっているのが今の状況ではないか」  自滅の道を突き進んでいるように見える宅見組と神戸山口組。結成100周年という節目の年に起きた山口組の分裂抗争も、いよいよ終幕は近い。 <取材・文/週刊SPA!編集部> ※週刊SPA!8月18日発売号より
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週刊SPA!8/25号(8/18発売)

表紙の人/ 奈緒

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