更新日:2020年10月26日 18:17
ライフ

嫌々働いていたキャバクラ嬢が「続けよう」と前向きになったきっかけ

自分は他者との交わりで生きている

 それに対して、「あの時、あの人が、ああ言ったから」あるいは「あの時、あの人が、ああしたから」ということがあると、「だから自分はこうしよう」と考えて、自然にアクションが取れるようになります。私たちは決断や行動において理屈よりも、人との結びつきが作り出す心情を重視しているのです。  彼女はこの「人物の影響」について、とても自覚的です。彼女の著書『日本一売り上げるキャバ嬢の指名され続ける力』(KADOKAWA)を読むと、それがよくわかります。  彼女が小学生だった時に、同じクラスに人気の女子がいました。その女子は可愛いだけでなく愛嬌があり、男子にも女子にも好かれていました。その女子を見た彼女は「あんなふうになれたらいいなあ」と憧れて、話したことのないクラスメイトに自分から話しかけたり、いつも笑顔でいるようになりました。  また、中学生だった時は素行不良で、先輩に誘われて街のデパートに集まって遊んだりしていました。それが三年生の時の担任が頭ごなしに怒ることなく、たくさん褒めてくれる先生だったことで、「この先生のために毎日学校に来よう」決心しました。  このように彼女は自分の決断や行動について、誰に影響を受けたのかを細かく覚えています。だからこそ、それが根拠になって人よりも多くの行動が取れるのです。  彼女は「名古屋の錦に、常識をぶち破るどえらいキャバ嬢がいる」という噂が広まって、多くの人に知られるようになりました。金髪もカラコンもネイルもピアスも色恋営業もせず、歌ったり踊ったり変顔をして、その様子をSNSで配信していたら、それまでキャバクラに来たことがなかった人に来店し、指名数も来客数が増えたと言います。  そのことについて、彼女は「秘密っぽいイメージのキャバクラを、みなさんがエンターテイメントに変えてくださったのです」と表現しています。「自分がキャバクラを変えたのだ」と言わずに、「みなさんが変えてくださった」と表現するのは、彼女が「人物の影響」に対して自覚的であることを物語っています。  彼女に限らず、成功者が自分の成功要因について、才能や実力ではなく「周りのお陰」と話すことは珍しくありません。それは単なる謙遜ではなく、ありのままを話しているのです。自分は他者との交わりによって存在しています。もちろん、すべての人間関係がポジティブということありえません。大切なのは、どの人間関係に着目して、どんな自分を選択するかです。その繰り返しによって、「自分」はいくらでも変化していきます。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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