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稲川淳二、73歳。テレビの仕事を離れて「怪談ライブ」に全力を賭けるワケ

ファンの姿勢に感銘を受けた

稲川淳二 また、非常時だからこそ新しい発見や感動が生まれることもある。なかでもファンの姿勢には改めて感銘を受けた。 「ソーシャルディスタンスを保つために、席は隣り合わせにはできませんからね。家族やカップル、夫婦で来場していただいたお客さんも離ればなれになってしまう。それでも『隣には幽霊が座っているから』という冗談にも笑ってくれる温かさを感じましたよ。それに退場も席順に一人一人なので、最前列に座っている人は終演後、30分~40分以上も待機しなければなりません。それでも文句一つ言わずに協力してくださる姿を見たときは、胸が熱くなりましたよ」  生きていれば色んなことはあるし、その時々で経験と思って前に進むしかない。73歳という年齢に関係なく、その気概は衰えない。 「怖がったり、悲しくなったり、少し泣いてしまったり。怪談には色々ありますが、お客さんの反応を舞台の上で確かめながら話すライブこそ、人肌感というか温もりを感じられると思います。長くやっていれば、去年や今年のような時世になるのは仕方ない。そのなかで何がやれるかを常に考えて、カタチにしていきたいですね」

見据えるのは2022年。「すごい話」を用意する

稲川淳二 2021年は29年連続公演となるが、当然、その先には2022年の公演を見据えている。 「実は2021年も私にとっては特別な年なんですよ。連続公演に先だって、妻と別居して30周年を迎えますし、ヒゲを伸ばし始めてちょうど50年になりますから(笑)」  30年連続怪談公演ツアーの計画はすでに頭の中で描いている。数ある稲川怪談でも“曰く付き”として有名な話に関わるイベントの開催も検討中だ。さらに2020年には公式YouTubeチャンネル『稲川淳二メモリアル【遺言】』を開設するなど、精力的に活動している。 「今でこそ公演させていただく会場も大きくなりましたし、舞台装置にも工夫を凝らします。発信媒体もたくさん増えましたが、やっぱり怪談の原点は人と人。だからこそ『ライブ』が私の生きがいなんです。コツコツとやってきたこれまでと、ファンの方と築いてきた30年を最高のカタチで共有できる瞬間を今から楽しみにしています。期待していてください。すごい話を用意していますよ」 <取材・文/藤冨啓之、撮影/長谷英史>
WEBコンテンツ制作会社「もっとグッド」代表取締役。ライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰も務める。オウンドメディアのコンサルティングのほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動
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●稲川淳二オフィシャルWebサイト
https://www.j-inagawa.com

●MYSTERY NIGHT TOUR 2021 稲川淳二の怪談ナイト
http://www.inagawa-kaidan.com

●YouTubeチャンネル『稲川淳二メモリアル【遺言】』
https://www.youtube.com/channel/UCwBwI0hGtHAp-ZPT_dR1_DA/videos

●ニコニコチャンネル
稲川淳二のファンと怪異があつまるチャンネル

https://ch.nicovideo.jp/j-inagawa
※2021年1月22日に開局
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