更新日:2021年02月06日 16:12
エンタメ

「稲川怪談」30年の軌跡。ファン同士が結婚、怪談は暴走族にも愛されている

 怪談界のレジェンドである稲川淳二さん(73歳)。全国を巡る「稲川淳二のミステリーツアー」は、2022年に30年連続公演という前人未踏の記録を目前に控えている。
稲川淳二

タレント・怪談家の稲川淳二さん

 稲川さんにその原動力を聞くと「ファンの存在がとても大きい」という。怪談というコンテンツを開拓し続けるなかで、どのようなファンと交流が生まれたのか。印象的なエピソードを語ってもらった(以下より本人談)。

大阪は「怪談愛」が溢れる土地

稲川淳二 大阪といえば「お笑い」といったイメージの人が多いでしょうが、実は怪談好きな方も多い地域柄なんですよ。まだ本格的に怪談ツアーを始めたばかりだったときも、大阪だけはいつも会場をいっぱいにしていただいて、ありがたかったなぁ。ただ、さすがと言うべきか、なかなか面白い人も多かったです(笑)。  会場の近くに大きくて綺麗な公園がありまして、公演前に少し散歩していたんです。池のそばにある東屋(あずまや)に、複数のホームレスの方が休んでいらっしゃってね。私を見つけると「おーい、稲川さん!」と手を招いてくれるんですよ。  行ってみると、そのうちの一人が「応援してるよ!」と声をかけてくれたついでに、手に持っていたよく分からないお酒を私にくださいましてね。受け取ろうとすると、他のホームレスがその人の頭を叩いて「馬鹿野郎! 新しい酒をつくれ!」と気を遣っていただいたことを覚えていますよ。私が怪談をしていることなんて知らないはずなんですが、心遣いが嬉しかったなぁ。  ほかにもこんなことがありました。

怪談は暴走族にも愛されている!!

稲川淳二 公演が終わって会場の地下駐車場から出てくると、出口で暴走族のオートバイが、20数台並んで待っていた。あのときは一瞬、肝が冷えましたね。そして、タクシーの後を追いかけてくるんです。  1台1台タクシーに近寄ってきて、「稲川さん、ありがとー! また来てくれ!」と言うんです。  いやぁ、運転手さん、驚いてましたね。「こんなことあるんやなァ」と。なんというか大阪の方には本当に愛していただいたなぁと感じました。
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時を経てファン同士が結婚
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WEBコンテンツ制作会社「もっとグッド」代表取締役。ライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰も務める。オウンドメディアのコンサルティングのほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動

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●稲川淳二オフィシャルWebサイト
https://www.j-inagawa.com

●MYSTERY NIGHT TOUR 2021 稲川淳二の怪談ナイト
http://www.inagawa-kaidan.com

●YouTubeチャンネル『稲川淳二メモリアル【遺言】』
https://www.youtube.com/channel/UCwBwI0hGtHAp-ZPT_dR1_DA/videos

●ニコニコチャンネル
稲川淳二のファンと怪異があつまるチャンネル

https://ch.nicovideo.jp/j-inagawa
※2021年1月22日に開局
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