更新日:2021年04月12日 14:56
ライフ

手巻き寿司感覚で楽しむタコスの名店「ご飯と一緒で何にでも合う」

自分でトッピングして仕上げるのが楽しい

タコスショップ

見ているだけで楽しいカラフルなトッピング。マンゴーピュレ、パクチーと青唐辛子とクミン、サルサ・ヴェルデ、焦がしトマトのサルサ・ロハ、食べるラー油的なサルサ・マチャ、紫玉ねぎ、塩、パクチー、ミント、キーライム

 とはいえ、ここのタコスは、これで完成じゃない。 「大体9割5分くらいで仕上げています。あとはお客さんのお好きなように」と星さん。  そう、これはあくまでベースでありステージ。ここに自家製サルサやハーブなどを自由にトッピングして、自分で仕上げるのがこの店の醍醐味。最初はシンプルだったものが、いろいろ載せていくうち、どんどんどんどん華やかになって、最後はわーっと盛り上がる。もちろん、そのままでも十分おいしいんだけど、全然違うものができ上がるからたまらない。  “考えるタコス”とでもいうのか、センスを試される。全部のせるのはカッコ悪いよねとか、どう組み合わせたらおいしくなるかを自分で探る楽しみがある店って、なかなかないかも。
タコスショップ

海老に焦がしトマトのサルサ・ロハ、玉ねぎ、パクチー、最後にキーライムをギュッと搾って。「いいねー、グッと華やかになる」(ハナコ)

店主の雰囲気そのままの居心地のいい空間

タコスショップ

「カキの旨煮」¥350~(大きさによって値段は変わる)。「以前はテキーラで香りをつけていたのですが、味がぼやけるので今はヴィネガーと生の青唐辛子で輪郭をつけています。進化というのか迷いというのか、工夫はしてますね(笑)」(星さん)。酸味がまろやかで香りが豊かなキーライムを使ったライムサワー¥700~

 お酒はクラフトビールに自然派ワイン、名物ライムサワーに燗酒、そして一応メキシコらしくメスカル(アガペで作った蒸留酒)もラインアップ。 「自分が好きなもの、飲みたいものをただ置いてるだけです」と相変わらず輝くんはふわふわっ。でも、ライムサワーは絶対キーライムじゃなきゃとか、輝くんは決して語らないけど、ここだけは絶対こうあってほしいみたいな心意気をすごく感じる。そして、あとはお好きにどうぞと自由にさせてくれる。そんな輝くんが店主だからこそ、ゆるくてもちゃんと締まりのある居心地のいい空間になっているんだと思う。  近々池尻大橋に新店がオープンするらしいけど、吉祥寺の店はとりあえず残すらしいと聞いて、ひとまず安心。 タコスショップ構成/和田紀子 撮影/キッチンミノル
食と酒と旅をこよなく愛する編集者。雑誌などのメディアやTwitter、Instagramでレシピや美味しいお店を発信中。新刊『ツレヅレハナコの2素材で私つまみ』がKADOKAWAより好評発売中。他にも『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの南の島へ呑みに行こうよ!』(光文社)、『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)など著書多数。Twitter@turehana instagram@turehana1

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