更新日:2021年05月04日 10:50
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浅草地下商店街にあるマニアックなベトナム料理店

オーセンティック 食いしん坊編集者・ツレヅレハナコさんのもとには、類は友を呼ぶで、老若男女、有名無名を問わず、胃袋でつながった仲間たちから、旨いもの情報が集まってくる。ハナコさんは、それらを書き留めた秘密の手帳を”閻魔帳”と名づけ、それを片手に東へ、西へ。仲間たち(=諜報員)のおススメの店を訪ねてきたハナコさんが、彼ら彼女らへの感謝の気持ちを込めて、自身が愛するお店の中から、それぞれにぴったりのお店を返礼として紹介するこの企画。『東京ウォーカー』(KADOKAWA)で好評だった連載が『日刊SPA!』にお引っ越しして、今回は第7回目となりました。

昭和の風情が残るディープゾーンが東にも

オーセンティック

銀座線浅草駅直結で、お店は8番出口を出て左折。低い天井に配管やケーブルがむき出し状態で、およそ令和とは思えない。まさにタイムスリップしたかのよう。高円寺から浅草地下商店街に移転オープンしたのは、なんと東日本大震災の前日、2011年の3月10日

 今回のお店はコチラ。食堂おさか(三軒茶屋/深夜食堂)を教えてくれた諜報員020(40代女性/活版印刷プランナー)にハナコがお返しに教えたい店12は、浅草のベトナム料理・ビストロ オーセンティックさん。

浅草駅地下商店街にひっそり佇む4坪のベトナム

オーセンティック

地上からの入り口は2か所で、こちらは松屋浅草正面の入口。もともとは銀座線が開通した昭和2年、新仲見世商店街の有志たちがポケットマネーを出し合って地下通路を掘り、ショーウィンドウにしていたとか。商店街になったのは昭和30年

 浅草に地下商店街があるって知ってました? 地上ではスカイツリーや浅草文化観光センターもできたりして、どんどん開発が進んでいるけれど、そこだけエアポケットのように時代から取り残され、いまだに昭和が続いている。
オーセンティック

店舗はわずか4坪。カウンター7席で、あとは外にテーブルが1卓

 理髪店や気功整体、占いの館に金券ショップといった雑多な店が軒を連ねるなか、約半分は実は飲食店。ベトナム料理・ビストロ オーセンティックもそのひとつ。かつて高円寺で「ベトナミーズ・キュイジーヌ」を謳っていたそうだけど、移転をきっかけに「ベトナム料理・ビストロ」にしたのは、「気軽に立ち寄っていただける、ちょっと変わったベトナム料理店を目指しているから」と店主の森泉麻美子さん。
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他では味わえないメニューばかり
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食と酒と旅をこよなく愛する編集者。雑誌などのメディアやTwitter、Instagramでレシピや美味しいお店を発信中。新刊『ツレヅレハナコの2素材で私つまみ』がKADOKAWAより好評発売中。他にも『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの南の島へ呑みに行こうよ!』(光文社)、『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)など著書多数。Twitter@turehana instagram@turehana1

ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳

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