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近所のフレンチをカウンターで楽しむ――ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳

 食いしん坊編集者・ツレヅレハナコさんのもとには、類は友を呼ぶで、老若男女、有名無名を問わず、胃袋でつながった仲間たちから、旨いもの情報が集まってくる。ハナコさんは、それらを書き留めた秘密の手帳を“閻魔帳”と名づけ、それを片手に東へ、西へ。仲間たち(=諜報員)のおススメの店を訪ねてきたハナコさんが、彼ら彼女らへの感謝の気持ちを込めて、自身が愛するお店の中から、それぞれにぴったりのお店を返礼として紹介するこの企画。『東京ウォーカー』(KADOKAWA)で好評だった連載が『日刊SPA!』にお引っ越しして、今回は第3回目となりました。

対抗して「近所のいい店」自慢をしたいから

ザンガラ

荻窪駅南口から徒歩5分。一歩路地を入った場所のビルの2階。店名の「ZINGARA」はジプシーを意味するだけに、ジプシーの女性のイラストがお出迎え

 今回のお店はコチラ。オステリアルーチェ(北千住/イタリアン)を教えてくれた諜報員008(40代男性/料理カメラマン)にハナコがお返しに教えたい店は、荻窪のレストラン「ザンガラ」さん。

カウンター中心だから、ひとりでふらっと行きやすい!

ザンガラ

細くて急な階段に最初はちょっとひるむけれど、ドアを開ければ心地よい空間が広がっている。ちなみに今まで酔っぱらって転げ落ちた人はいないそう。節度あるお客さんばかりという証拠

 自宅から近すぎる店って、意外に足が向かなくないですか? 以前住んでいた家から徒歩5分くらいのところにあるこのお店がまさにそう。裏路地の細くて急な階段を上がった2階という立地に加えて、階段下に貼ってあるメニューのセンスのよさから、間違いなくおいしいに違いないと気にはなりつつ、機会を逸していた。
ザンガラ

イカ釣り漁船のランプと西武球場のナイターランプを組み合わせた照明の温かい光に包まれた寛ぎの空間。カウンター6席と2人がけのテーブル席がひとつ

 初めて行ったのは引っ越す3~4ヶ月前。思った通り料理もワインも全部おいしくて、シェフもマダムも素敵だし、滅茶苦茶居心地のいい店。あーもっと早く来ればよかったと後悔したけれど、すぐに挽回。引っ越した今ではけっこう頻繁に通っている。バスで15分、タクシーを飛ばせば10分という距離感がちょうどいいし、カウンターが中心なので、ひとりでふらっと来て、アラカルトでもコースでも楽しめるのがうれしい。  1軒目としてはもちろん、2軒目使いでチーズやデザートと食後酒だけとか、ちょっと食べ足りないから1~2皿とワイン2~3杯っていう使い方をする常連さんも多くて、私も含めてそういう人は間違いなく食いしん坊(笑)。おいしいものとお酒をこよなく愛する人なら、絶対に気に入るはず。  ただし、初めて訪れるときの最低限のマナーとしては、まずは1軒目としてしっかり食べてほしいし、できればワインとのペアリングで味わってほしい。料理のベースはフレンチなので、合わせるお酒も基本はワインなんだけど、以前ここで鮎のお料理をいただいたとき、「今年は和食屋さんに鮎を食べに行けなかったなー」と思った瞬間、それまでずっとワインだったのに、ぴったりの日本酒が出てきて何なのー! と驚いた。エスパーかよと(笑)。
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居心地がよすぎる空間
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食と酒と旅をこよなく愛する編集者。雑誌などのメディアやTwitter、Instagramでレシピや美味しいお店を発信中。新刊『ツレヅレハナコの2素材で私つまみ』がKADOKAWAより好評発売中。他にも『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの南の島へ呑みに行こうよ!』(光文社)、『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)など著書多数。Twitter@turehana instagram@turehana1

ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳

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