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『モンスターハンターライズ』発売!『モンハン』奇跡のサクセスストーリーを振り返る

携帯ゲーム機向けのイメージ払拭なるか?

 一方で、据置ハードの『モンハン』は、携帯ゲーム機での盛り上がりに比べるとやや見劣りする印象がありました。PS2向け『モンスターハンター2(ドス)』(2006年2月)は、季節と昼夜の概念があり、時間の経過とともに変化するシリーズ中の異色作。コンセプトは評価されたものの、プレイヤーにとっては不便な仕様が多く賛否両論ありました。売上は70万本前後といわれています。  2009年8月には、Wii向けに『モンスターハンター3(トライ)』をリリース。もともとはPS3での発売が予定されていましたが、Wiiにプラットフォームを移し、世界190万本のセールス。これ以降、2018年の『モンスターハンター:ワールド』まで、据置機向けの完全新作は途切れることになります。
モンスターハンター3

『モンスターハンター3(トライ)』(Wii)公式紹介ページ

 携帯ゲーム機市場では盤石の地位を築いた『モンハン』ですが、2つの課題がありました。1つは「『モンハン』は携帯ゲーム機のシリーズ」というイメージの払拭。PSPの開発が終了し、後継機PS Vitaも不振。3DSもハード寿命を迎えつつあるなか、さらなるシリーズの飛躍のためにはオンライン環境が整備されていたPS4でのヒットが不可欠でした。  そしてもう1つのテーマはグローバル展開。国内での知名度に比べて、海外では面白さがうまく伝わっておらず、長らく『モンハン』は「国内メインのタイトル」と見なされてきました。テレビゲーム市場が世界的に拡大するなか、海外での成功は悲願だったといえます。
モンスターハンターワールド

大ブレイクした『モンスターハンター:ワールド』(PS4)公式サイト

 そこで投入されたのが、PS4『モンスターハンター:ワールド』(2018年1月)。据置機向けとしては『3(トライ)』以来およそ9年ぶりとなる完全新作でした。ハイスペックなハード性能を活かしたシームレスなフィールド。グラフィックも一気にクオリティアップし、リアル路線が追求されています。この挑戦が実を結び、世界出荷本数はなんと1680万本(2020年12月31日現在)。カプコン史上最高の数字を叩き出しています。  果たして、今回のNintendo Switchでの新作『モンスターハンターライズ』はどこまでヒットするでしょうか? 『あつまれ どうぶつの森』をプレイするためにNintendo Switchを購入した、いわゆるライトユーザーが『モンハン』世界に足を踏み入れるかもポイントになりそうです。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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