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緊急事態宣言下でマスク警察が活発化「報じても報じてもキリがない」

テレビ局には通報と被害報告が多数「正直キリがない」

電話 昨年、テレビのワイドショーなどで面白おかしく「マスク警察」が取り上げられたことも記憶に新しいが、今もなお、局には「マスク警察」からの通報、さらに「マスク警察の被害者」からの訴えが数多く届いているとか。  都内のキー局に勤務する情報番組ディレクター・川村寿彦さん(仮名)が説明する。 「どこどこでマスクをしていない若者がいたので証拠の写真や動画を撮った、報道しろ、みたいな情報提供はかなり多いのですが、ほとんどは言いがかりのようなもの。最近増えたのは、こうしたマスク警察の被害に遭った、という声です」(川村さん、以下同)  具体的には、スマホの「顔認証」のために電車内でマスクをずらしたところ、隣に座っていた中年男性に文句を言われて口論になったり、飲食店で食事中、熱い食べ物をハフハフしていただけで隣客から小突かれたなど。  川村さんは、それらをいちいち取り上げていると「正直キリがない」と明かす。 「報じても報じても類似のトラブルは起きるし、“分断”を煽っているような気もして自重している、というのが正しいかもしれません。公園やイベントスペースをふらついては、マスクをしていない人を見つけて怒鳴りつける、マスク自警団みたいな人は全国各地にいるようです」

「もう静観するしかない」

「先日取材した商店街では、自治体の要請する営業終了時間を1分でも超えて店頭に看板を出していたお店を写真に撮り、SNSにアップするというおじさんにも遭遇しました。商店街の方も困り果てていますが、もう静観するしかないと仰っていて」  医療体制は逼迫し、先進国では進んでいるワクチン接種も、我が国の対応は遅く見える。生活に困窮する国民への補償も手薄い。いま、社会には困惑と困窮が蔓延している。  そんななかでも過激なマスク警察、そして、それと同じような過激さでマスク警察に対抗しようとする人たちだけが、元気に、生き生きとしているのは、なんとも皮肉という他ない。<取材・文/森原ドンタコス>
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