ネットで「母乳」が売買される衝撃。「メルカリ感覚で売っている」女性を直撃した
ネット上で母乳が売買されている―――。そんな衝撃的な事実が2015年から世界的に広がりを見せ、日本でも行われています。
インターネット等で販売される母乳に関する注意/厚生労働省)
なぜ、彼女たちは母乳を販売しているのでしょうか。その背景を探るべくTwitterで母乳を販売しているアカウントに取材依頼のダイレクトメッセージ(DM)を送ってみましたが、多くの人から断られてしまいました。そのアカウントの多くが母乳の他にも性的な動画や写真、使用済み下着などをオプションで付けているのも特徴的でした。
母乳が出にくい体質の女性に向けて売っているのではなく、明らかに母乳フェチの男性がターゲットとなっており、一昔前のブルセラを彷彿とさせます。また、ほとんどの母乳販売アカウントにはメニュー表があり、母乳50mlあたり1200~1500円が相場のようです。
それらのアカウントのツイートを見ていると、シングルマザーらしき人も多く見受けられ、「お金がないので援助してほしい」と、PayPayのQRコードを貼っている人もいました。母乳販売アカウントの背景には女性の貧困が潜んでいることが考えられます。
なかなか取材協力者が見つからない中、一人だけ取材に応じてくれたのは今年1月に出産したばかりのメグミさん(25歳・仮名)。多くのアカウントが母乳以外にもオプションをつけている中、メグミさんは母乳のみを50mlあたり1500円で売っていました。
メグミさんは既婚者で会社員ですが、現在は育児休業中。母乳を販売していることを夫は知らないといいます。彼女が母乳の販売を始めたきっかけは意外な出来事からでした。
「子どもが生まれてすぐ、Twitterで育児専用アカウントを作って日々の育児についてツイートをしていました。するとある日、男性らしきアカウントから『母乳を売ってくれませんか?』というDMが届いたんです。最初は気持ち悪いなと思ったのですが、以前『裏垢』を作ってちょっとエロい投稿をしていた時期もあったので、SNS上で知らない人とやり取りをするハードルが低く、どうせならたくさん出る母乳を売ってお小遣い稼ぎしようと思い始めました」
メグミさんの母乳の取引の流れはこうです。まず搾乳してすぐに母乳バッグに入れて24時間以内に冷凍。そして取引のDMが来たら条件などを交渉し、取引が成立したら先にアマゾンギフト券かPayPayで料金を支払ってもらい、着払いのクール便で送るそうです。
メグミさんが母乳の販売を始めたのは今年の4月から。今のところ20件ほど購入希望者からDMがあり、実際に販売に至ったのは5件とのこと。対面ではなく完全にネット上でやり取りをしているため、危険な目に遭ったこともないそうです。
Twitterで「#母乳売ります」で検索をかけると、次々に母乳を販売しているアカウントが表示されます。
しかし、厚生労働省からは「インターネット等で販売される母乳を乳幼児に飲ませると、病原体や医薬品等の化学物質等が母乳中に存在していた場合、乳幼児の健康を害するおそれがある」と注意喚起が出ています。(背景に貧困が?「#母乳売ります」に群がる男性たち
母乳販売は意外なきっかけから
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