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ネットで「母乳」が売買される衝撃。「メルカリ感覚で売っている」女性を直撃した

取り引きが成立しない理由

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購入希望者とのやりとりはTwitterのダイレクトメッセージで行われる(メグミさん提供、以下同じ)

 しかし、20件も依頼があって5件しか取り引きが成立していないのはなぜなのでしょうか。 「私は身バレ(身元がバレること)を防ぐために顔出しをしていません。ですので、『顔写真を送ってほしい』と言ってくる人はお断りしているので取り引きが成立しません」
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顔写真の提供を断ったため取り引きが成立しなかった例

 本来なら子どもに与えるはずの母乳を知らない男性に販売することに抵抗や罪悪感はないのでしょうか。 「罪悪感は特にないですね。冷凍保存した母乳は、長くて6か月が子どもにあげられる期限だと言われています。私の場合は念のため、1か月冷凍して、余ってしまったら捨てるようにしていました。だから、捨てるくらいなら売ったほうがいいなと思って。育児アカウントのほうで初めて『母乳を売ってください』とDMが来たときは気持ち悪いなと思っていたのですが、今はそのようなフェチのある男性は大変だなとしか思わないです」

売り上げの使い道は、UberEatsやコンビニスイーツ

 多くの母乳販売アカウントは貧困のために行っている印象が強いのですが、メグミさんの世帯収入は現在育休手当も入れて月40万円ほど。そのため、メルカリ感覚でお小遣い稼ぎのためにやっていると言います。母乳販売で得たお金でUberEatsを頼んだり、コンビニのスイーツを買ったりと、本当にちょっとした贅沢を楽しんでいるとのことでした。  メグミさんは今後も母乳が出る限りは母乳の販売を続けていきたいと言います。しかし、冒頭でも述べた通り、厚労省は個人間の母乳売買に関して警鐘を鳴らしています。  厚労省が2015年に行った注意喚起では「母乳を通じて感染する可能性がある病原体の例」としてHIV(ヒト免疫不全ウイルス)や、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)が挙げられています。また、昭和大学江東豊洲病院と一般財団法人・日本食品分析センターが、販売されている母乳を検査・分析したところ、粗悪なものでは細菌量が最大1000倍も検出されたそうです。  このように衛生面でも問題のある母乳売買。今回、メグミさんはお小遣い稼ぎ程度の感覚でしたが、取材できなかった他の母乳販売アカウントの女性たちの中には貧困にあえいでいると思われる人もいます。しかし、このような行為を厚労省が問題視していることを忘れてはいけません。 <取材・文/姫野桂>
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