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菅内閣は、悠仁殿下と秋篠宮家、そして日本の歴史を守った/倉山満

悠仁殿下がおわす今、もはや「女系天皇」など終わった話

 しかし、平成18(2006)年、悠仁親王殿下がご誕生された。日本国の歴史を受け継ぐ御方である。我が国は初代神武天皇の伝説以来、一度も途切れることのない伝統を受け継いできた。  日本国は常に皇室を戴く国であったし、その皇室は神武天皇の男系子孫が受け継いできた。悠仁親王殿下がご無事に成長され、即位されれば、昨日と同じ今日を明日にも受け継いでいくことができる。日本が日本であり続けてほしいと願う人々がなすべきは、いかにして悠仁殿下をお守りするかである。  悠仁殿下がおわす今、「女帝」だの「女系」だの、秋篠宮家に皇位を渡さないがための陰謀にすぎない。かつてならいざ知らず、もはや「女系天皇」など終わった話なのだ。  今回、菅内閣が「女系天皇」論に、引導を渡した。今次有識者会議では「悠仁殿下がおわす以上、女系天皇など言うべきではない」との意見が多数を占め、「今の皇位継承順位を変えない」との結論になった。このまま事を進めれば、後世の日本人は褒めたたえるだろう。菅内閣は、悠仁殿下と秋篠宮家、そして日本の歴史を守った、と。

西村泰彦宮内庁長官、天皇陛下の心中を想像で語るとは何事か

 ところで、とんだ闖入者が出てきた。西村泰彦宮内庁長官だ。西村長官は6月24日の記者会見で、陛下はオリンピックの開催で新型コロナが感染拡大しないか懸念していると拝察すると言い出した。天皇陛下の心中を想像で語るとは何事か。  あまりの言葉に、その場にいた記者もこれはオフレコではなく、「仮に拝察でも長官の発言としてオンだから、報道されれば影響あると思うが、発信していいのか」と確認している(朝日新聞より)。これに対し西村長官は、堂々と「はい」と返答している。この御仁、上皇陛下や東宮殿下に対してもそうだったが、皇室に対する尊崇の念が無いらしい。  立憲国家の君主は、神聖不可侵であらねばならない。その意味は、「君主は、現実政治に介入してはならない」だ。だから、国民世論が割れ、政治勢力が対立している段階で政治に嘴を挟むのを、歴代天皇は戒めてきた。それを宮内庁長官が、天皇に責任を帰し奉る言動を行った。馘首以外にあるまい。それにしても、何を考えていたのか。
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都庁のタヌキや医師会のキツネに振り回されてばかりの政権
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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