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100円均一を守るセリアが好調なワケ。ダイソー、ワッツ、キャンドゥと比較

「100円均一」をかたくなに守るセリアの哲学

セリア

セリアHPより

 一方、セリアは違います。セリアは現在も100円均一にこだわりを持っています。 「複数の価格帯の商品が並ぶのは顧客に混乱を招く」と考えているのです。  結果、今では「すべて100円(税込み110円)」というのは、セリア独自の強みとなっています。では、なぜセリアは100円を維持することができるのでしょうか。  本来、100円ショップは在庫リスクを自社で背負うことから在庫管理が何よりも重要です。そこで、統計学に詳しいセリアの河合社長自らが考案したのが、自動的に売れ筋を入れ替える発注支援システム。これがとにかく凄いのです。  このシステムは「セリア・パーチェス・インデックス(SPI)」と呼ばれる指数を取り入れたこの発注支援システム、独自のアルゴリズムで販売個数や店舗面積、立地などから需要を予想し、店舗ごとの発注個数を自動でリスト化します。  簡単に言うと、「向ヶ丘遊園駅前店はハンガーを80個発注するのが最適。浦添店は20個、神戸北町店は35個」といったように過去のデータから在庫を最小に抑えたベストな発注数やタイミングを自動的に算出してしまうのです。  これを見ればパートさんやアルバイトさんでも簡単に発注できるようになりますよね。結果、中央のスタッフはそれらのデータを用いて、新しい商品企画やリサーチに集中できるのです。

結局、大手3社でどこが強いのか

 ここからは、より100円ショップの収益構造を丸裸にしていきましょう。「売上高」「営業利益率」「時価総額」、この三つを見ると様々なことが理解できます。 ※大手3社の売上高の比較 ・セリア…2006億円 ・キャンドゥ…730億円 ・ワッツ…527億円  3社の中で、セリアが一番売上高が大きいわけですが、それだけではありません。  セリアは営業利益率も群を抜いています。 ※大手3社の営業利益率の比較 ・セリア…10.6% ・キャンドゥ…2.1% ・ワッツ…3.3%  なんと、10%超え!先ほど説明した独自の在庫管理システムが効いているんですね。  時価総額でも、セリアが大きくライバルを引き離しています。 ※大手3社の時価総額の比較(2021年7月2日時点) ・セリア…3060億円 ・キャンドゥ…329億円 ・ワッツ…131億円 セリア(JQ) 時価総額 3060億円 売上高 2006億円 営業利益率 10.6% キャンドゥ(東1) 時価総額 329億円 売上高 730億円 営業利益率2.1% ワッツ(東1) 時価総額 131億円 売上高 527億円 営業利益率 3.3%
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