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100円均一を守るセリアが好調なワケ。ダイソー、ワッツ、キャンドゥと比較

「細かすぎる100円ショップ分析」を始めます

 もう一歩踏み込んでみましょう。ここで見るのは「棚卸資産回転率」です。  たなおろししさんかいてんりつ?  さて、これ何のことでしょうか。  棚卸資産回転率とは、「在庫回転率」とも呼ばれるもので、「商品の仕入れや販売が効率的かどうか」を示す指標のことです。計算式は「年間売上高÷棚卸資産=棚卸資産回転率」となり、これが高いほど効率的に仕入れや販売ができていることを意味します。
セリア

セリア(2021年3月時点で11回)

キャンドゥ

キャンドゥ(2020年11月時点で11.67回)

ワッツ

ワッツ(2020年8月時点で7.41回)

 この棚卸資産回転率を見てみると、セリアだけが安定的に11回付近をキープしています。つまり、ロスなく効率的に商品を販売できているのです。

今後もセリアの好調は続く?

 では、今後もセリアの好調は続くのでしょうか。これを説明する上で大きなニュースがあります。  2022年4月4日、東証の市場区分が再編されます。今までの東証1部、東証2部、マザーズ、ジャスダックの4つの市場区分が、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つに一斉に変更されるのです。  現在、セリアはジャスダック市場に上場している企業です。が、ここまで見てきた通り、力強い成長を遂げており、時価総額も3000億円を超えていることから最上位の市場である「プライム市場」に昇格する可能性が高いと言われています。
馬渕磨理子

馬渕磨理子

 つまり、この先の成長がまだまだ期待できるのです。P/LとB/Sを見るだけで、ここまで企業のイメージは変わるもの。”100円じゃないショップ”が台頭する中、独自の路線を突き進むセリアの強みはマニアックなデータにもしっかり表れているのです。 <文/馬渕磨理子>
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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