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自衛隊員「雑魚寝」問題に光――補正予算でベッド9900個購入へ!

その75 災害派遣時用の用具入れと簡易ベッド導入という成果
自衛隊員は劣悪な環境下「雑魚寝」

2018年4月28日の本連載より。災害派遣で疲れ切った自衛官が「寒い夜にひと時の休息をとっている」時の画像

災害派遣された自衛隊員は劣悪な環境下「雑魚寝」で夜を過ごす

 本連載「自衛隊ができない100のこと」ではさまざまな問題を取り上げてまいりました。「自衛隊トイレットペーパー『自腹』問題」は数回にわたる大規模なアンケート調査もあり、補正予算がついてどこの基地でもトイレットペーパーがないところはないというごく普通の職場環境に変わりつつあります。  さて、年の初めに「希望」を感じる話をお届けしたいと思います。  この連載で自衛隊の待遇問題を提起するとともに、協力的な議員の先生方を通じて自民党の防衛部会等で問題を取り上げていただいています。この日刊SPA!の連載を「愛読しています」と言ってくれる国会議員の先生方がいらっしゃることにびっくりしていますが、実際にこの記事が自衛隊の待遇改善の糸口になることもあるようです。 ▼令和元年12月10日「日本の未来を考える勉強会」-医療の自給自足と安全保障- 講師:国防ジャーナリスト・「自衛官守る会」会長 小笠原 理恵氏/日本の未来を考える勉強会  昨年の12月10日に衆議院第一議員会館で私が主宰する自衛官守る会の「第2回自衛官の待遇改善を考える会」が開催されました。当会からの情報提供と国会議員の活発な意見が交換されました。その様子をご覧頂ければ幸いです。  トイレットペーパー問題だけでなく、さまざまな視点で自衛官の待遇を考えている様子が手に取るようにわかります。  さて、トイレットペーパー自腹問題以上に「これはヒドい! どうにかしてあげて!」と多くの人が声を上げて下さった事例が「災害派遣、自衛隊『雑魚寝』問題」です。 日刊SPA! の記事から国会議員や政府に多くのアプローチがありました。極寒のなか、布団もなく硬い体育館の床で休息を取る自衛官達の1枚の写真は大きな反響を呼びました。 「災害現場だけでなく、自衛隊員が災害派遣でどんな場所で休息を取っているのか見たい」と、大臣や政務官、国会議員たちが自衛官の休養時の様子を視察しました。アテンドしていた自衛官から、「大臣が俺たちの寝ているところを見たいと言い出すなんて、今も信じられない」という声を聞きました。やはり、大臣も同じ人間です。あの凍えて眠るたくさんの自衛官の写真を見て、「これではいけない」と思うのです。事実なら変えなければならないと視察し、広島の豪雨災害にも多数のエアマットが購入されました。そこでさらにです! 今年度の台風19号の災害を踏まえて、補正予算が組まれることになりました。

トイレットペーパー約89万個に続き9900個の簡易ベッドが

 12月11日付産経新聞に「災害派遣自衛隊員の環境改善へ 補正予算案でベッド1万台購入 来年度予算案では自衛隊事務官を大幅増」という見出しの記事が出ました。令和元年度補正予算案の防衛費で9900個の災害派遣時用の用具入れと簡易ベッドを購入するとのことでした。台風19号災害派遣で自衛隊員の宿営地ではさまざまな種類の簡易ベッドがありました。私物だからです。この「自腹」問題も解決に向けてGO!です。  また、この連載で取り上げたトイレットペーパー約89万個や、戦闘服や下着、靴下、簡易トイレ等も購入するとのことです。約89万個のトイレットペーパーという具体的な数字があがったことには、なんか「おおっ!」と感慨深いところがあります。まだまだ足りないものはありますが、一つ一つ変えていく具体的な手応えを感じ、自衛官不足に歯止めがかかればと期待しています。  消費税増税の影響で消費が冷え込んでおり、来年は中小企業を中心に廃業や倒産があると予想する経済評論家も多くいます。それに伴い賃金の削減リストラも予想されます。これまで自衛官はその仕事に見合った賃金ではないと連載で散々言ってまいりました。そのせいか、やっと自衛官の初任給が8600円値上げされました。それでもまだまだですが、自衛官は常勤職です。これから民間企業の賃金が下がり、リストラが始まれば、自衛官という職業が相対的に高給に見える時代になるのではないかと予想しています。
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災害派遣自衛隊員の環境改善へ
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