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クルマで投資は可能か? 楽しく使って高く転売するプロが考えてみた

維持費をどこまで考慮するか

車の維持費 例えば、自動車税や整備費用といったことの他の維持費として、任意保険や駐車場代がかかります。また、ガソリン代まで考慮するとさらにその「利益」は圧迫されることでしょう。  車両保険を付帯させない任意保険代ぐらいであれば、年3万円程度であるため、そこまで大きな負担とはならないでしょう。けれども、駐車場代までを考慮するとなると、例えば、都内の場合だと、おおよそ月2万円ぐらいが相場。そうなってくると、「維持費」を含んで「クルマに乗って利益を出す」ということを実現させるためには、クルマ本体が、「数百万円単位」といった値上がりを実現する必要が出てきます。

完全に「買った値段よりも高く売る」ためには何が必要?

 では、そういった「維持費」を考慮した場合でも利益を出すということは可能なのか。これまでのクルマの値上がり事例をもとに考えてみたいと思います。  例えば、空冷ポルシェの場合、2006年頃の相場は200万円程度。それが現在では600万円以上といったところであるため、約15年で400万円程の値上がりとなったといえます。15年で400万円の上昇という場合、1年あたりの値上がりは約26万円となります。そうなると、単純に、1年の維持費を平均26万円以下にする必要があるわけです。  では、1年26万円以下という維持費で、ポルシェに乗ることができるのでしょうか。答えは、おそらく「いいえ」となります。  私の計算によると、1.5リッタークラスの普通車でも、乗れる状態(ナンバー装着+任意保険加入)という状態だけで、年間13万円ほどの維持費がかかっています。そうなると、先の26万円分の13万円はすでに「確定」であるわけですから、残りの13万円でポルシェの整備代等を賄わないといけません。  ポルシェの維持費として、年13万円程度の予算は可能なのかというと、おそらく難しいでしょう。もちろん、ガッツリ整備した翌年、翌々年といったタイミングで年26万円以下で済むということはあるでしょうが、15年間の平均維持費が年26万円以下ということを実現するのは「かなり難しい」ことだと思います。  ですから、「乗って⇒使って楽しんで⇒売る」という前提で、クルマ投資を成功させるということは、難易度がものすごく高いゲームだといえるのです。
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乗らないのであれば利益を出せるかも
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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