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クルマで投資は可能か? 楽しく使って高く転売するプロが考えてみた

乗らないのであれば利益を出せるかも

車庫に眠る車 ただし、ナンバープレートをつけずに「ただ保管しておく」という観点では、利益を出す難易度はぐっと低くなるといえます。先のポルシェの事例をもとにすると、維持費が年26万円以下になればよいわけですが、ナンバープレートを付けない場合の維持費は「保管料」のみとなるのです。  ただ、その場合でも、年26万円以下にするためには、月2万円以下(26÷12=2.2)の駐車場を借りないといけません。また、長期保管するためには、ガレージといった良い保管環境が重要であるため、駐車場代は相場よりもやや高いということになります。  車庫を有り余るほど持っているという人の場合、「買う⇒保管⇒高く売る」ということを容易に実現できるかもしれませんが、一般人にはハードルが高いといえるでしょう。  また、クルマの場合、実際の仕入れ値と店舗の価格に乖離があるというケースもあります。もちろん、車種によっては実際の仕入れ値も高いという場合も少なくありませんが、注意しないと、単に“そのお店がたまたま高く売っているだけ”という場合もあるわけです。  そのため、その車種が本当に「高い」のか否かを調べる必要があるわけで、ある程度「業者オークション」の知識も必要になってくるでしょう。

結論「難易度は超高い」

 ということで、「クルマ投資は成り立つのか?」ということを考えてみたわけですが、「買って⇒使って⇒高く売る」ということを実現させるのは、難易度が超高いということが分かりました。  また、「乗らない」という観点でも、『空いているガレージを持っている』という人でも無い限り、「買って⇒高く売る」ということは困難であります。  価格が高いものでも、実は「買った値段よりも同じか、高く売れる」ため、本当の消費額は「高くない」というものがあります。そういったことに該当するのは、不動産、腕時計、エルメスなどであるわけですが、金持ち視点では、それらは「買った値段=消費額」ではないため、意外に気軽に買うことができるわけです。  しかし、クルマの場合、買った値段よりも高く売るということを実現させるのは至難の業。  超金持ちという方であれば、自宅の有り余っている地下駐車スペースに、掘り出しもののフェラーリを何台も置いておくということができるかもしれませんが、一般的な住環境では、それは不可能です。つまり、「クルマ投資」は、クラスに1人いるぐらいの「普通な金持ち」では、困難な遊びだといえます。この趣味を実行できるのは、かなりな金持ち限定、ということになってしまうわけです。  また、不動産投資されている方の場合、所有物件の空き駐車場を活用するという手もあるでしょう。ただ、この場合でも、「クルマ投資」をするためには「不動産投資」をしていることが前提となってしまいます。  ですから、クルマの場合、買った値段よりも高く売るということを重視するよりも、年13万円程度の維持費(+駐車場代)は、絶対かかるという前提で、「買った値段と同じぐらいで売れる」ということを狙うのが良いと思うのです。<文/斉藤由貴生>
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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