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アサヒ×キリン、ビール業界の巨人阪神戦。現在の勝者はどっちだ

アサヒとキリン、何が違うの?

 そんな激動の時代を迎える飲料メーカー。国内のビール企業の2大巨頭、アサヒとキリンではどのような戦略の違いがあるのでしょうか。  まず、アサヒ。  アサヒはコロナ禍の打撃が同業他社より大きいと言われています。なぜでしょうか。一口で言えば、仕事終わりに居酒屋で「とりあえず、生。スーパードライで!」と喉を潤す人が多かったからです。そう、アサヒはビール販売数量のうち、飲食店向けの業務用の比率が2019年で48%と、市場平均の約25%よりずっと高かったのです。通常であれば、家庭向けのように安売り競争にさらされない業務用飲料は利益率の高さにつながるはずです。が、コロナ禍ではその優位性が逆風となりました。  一方、キリンはどうでしょう。  元々、キリンは家庭用飲料市場が強く、2020年10月に発売した「一番搾り糖質ゼロ」は家飲み需要を取り込んでヒット商品になり、年間販売目標を上方修正しているほどです。結果、現在はキリンが一歩リードしている状況です。このように、強い場所の違いが明確に分かれているのがビール界の”阪神・巨人”なのです。

目立つキリンの「オセアニア」「医療事業」

 続いて、2社のセグメント別売上高を見てみましょう。まずはアサヒ。 アサヒ 売上比率 売上収益構成比は、酒類(37.4%)、飲料(17.4%)、食品(6.1%)、国際事業(39.1%)、その他(4.6%)と、国内の酒類事業と国際事業が大きな柱となっています。  一方のキリンはどうでしょうか。 キリン 売上構成比率 売上収益構成比は国内ビール・スピリッツ(35.2%)、国内飲料(13.6%)、オセアニア(15.8%)、医薬事業(17.2%)、その他(18.2%)と、国内のビール以外にオセアニア事業、医薬事業、その他も18%占めており、アサヒに比べて多角化していることがわかります。
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アサヒの「生ジョッキ缶」はヒットしたけれど…
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