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50万円から購入できる軽井沢の格安別荘は“買い”なのか

格安物件の特徴

軽井沢 80万円物件

80万円くらいで売られている物件

 そして、そういった格安物件の特徴が、昭和40年代ごろに建てられた、比較的コンパクトな物件であります。  別荘というと、豪華な建物を想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、格安物件は、2部屋+風呂トイレといったこぢんまりとした建物という傾向があるように感じます。  格安物件というと、なにかしら『訳あり』と思われるかもしれませんが、私がかつて見た物件は、事故物件という感じではありませんでした。単に、需要がないから、この価格になっているのだな、というのが率直な感想です。  ちなみに、軽井沢は湿気が多いため、カビ臭い別荘も多いのですが、傾斜地に建てられた別荘は、土台と傾斜地の間に隙間が空いているため、そこまでカビ臭くありません。平地に建てられた別荘よりも、カビ臭さに関してはよほど快適だと思います。

格安物件の維持費

 次に、格安別荘にかかる費用を説明したいと思うのですが、ここがまさに格安物件の格安たる理由といえる部分かもしれません。  それこそが、管理費の高さです。格安物件は、本体価格が数十万円だったとしても、年間の管理費が20万円から30万円程度かかる場合が多い傾向です。  なぜ、そんな管理費がかかるのかというと、その答えこそ、格安物件のエリアが、民間業者が開発した管理地だからということになります。  道路や水道といったインフラは、行政ではなく民間業者が管理しているため、管理費が高い傾向があるのです。ただ、この管理費には、水道の水止め作業が含まれている場合もあるため、「何もしてくれないのに割高」というわけではありません。  軽井沢の冬は、外気温がマイナスになるため、水を抜く作業をしないと水道管が破裂してしまいます。管理会社は、春には水出し、秋には水止めを行ってくれます。また、冬に使いたい場合、希望すれば水出し+水止め作業をしてくれるでしょう(おそらくこれは標準の管理費とは別途料金)。それに加えて、荷物の受け取りや、変な虫がいるから追っ払ってくれみたいな対応もしてくれるか可能性もあります。  仮に管理費が年間30万円だとしても、一月あたりに換算すると2万5000円。ですから、これから物件を購入したいと思っている方が、きちんと予算を組んだならば、決して払えない額ではありません。  その一方で、こういった管理費は、“年金暮らしの高齢者”や、“相続したけれども別荘には興味がない”という人には負担になるといえます。  また、別荘を「所有」すると、当然固定資産税もかかります。ですから別荘の年間維持費は管理費+固定資産税となります。そうなると、年間維持費の予算として50万円程度は確保したほうが良いということになるわけです。これもまた、予め覚悟すれば払えない額ではないでしょうが、人にとっては大きな負担となるでしょう。  そして、そういった負担をなるべく早く減らしたいというニーズから、格安物件が登場するのだと思います。
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リフォーム代はどれだけかかる?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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