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ガレキ処理より必要なこと【女川町の場合】

新聞やテレビの報道では「ガレキ処理をしなければ震災復興は始まらない」という印象を受けるが、本当にそうなのだろうか? マスコミが語らない「ガレキ処理」の実態をリポート!

◆被災地に必要なのは「ガレキ処理」より「雇用と住宅」

津波で壊滅状態となった女川町

津波で壊滅状態となった女川町の中心部。町役場以外のほとんどの建物が流失

 東日本大震災の巨大津波で壊滅的な打撃を受けた、宮城県女川町。かつて多くの人でにぎわった商店街や漁港、水産加工場、町役場は津波で破壊され、今ではその面影を見ることはできない。12漁港の被害額は約303億円、水産物の被害は約40億円にのぼるという。

 ’11年9月末、東京都の石原慎太郎知事が被災地のガレキ受け入れを表明した。そのガレキに放射性物質が付着していたことから、受け入れの賛否をめぐって社会問題化。人口1万人にも満たない漁業と原発の町「女川」が、連日のように報道された。

「被災地はガレキの山に埋もれていると思ったでしょう。震災直後、町の中心部はガレキだらけでしたが、今はほとんど片づいています」

 町全体を見渡せる高台に建てられた病院の駐車場で、タクシー運転手は本誌記者にこう語った。女川町ではガレキのほとんどが撤去され、仮置き場に搬入済み。生活圏内にガレキの山は見られない。今後は仮置き場から「処理選別ヤード」に移され、そこでコンクリート片や木くずなどに分別され、全国に運ばれていく。

「全国の人たちの支援はありがたいが、ピントがずれている。ガレキは片づいたし、今は住民の雇用の場を創出してほしい」「ガレキ処理よりも道路の補修や高台移転を支援して」「住民の足だった鉄道を早く復旧させて」などと、住民たちはガレキ処理に偏った政府の財政支援への不満を口にする。

仮設住宅

自宅を失った町民は約1200戸の仮設住宅に入居している。町全体の被害額は推定約785億円

 女川町の復興を阻害している元凶とみられるのが「人口流出」だ。宮城県が’12年3月7日に公表した県推計人口年報では、津波で甚大な被害が出た沿岸部の減少率が際立つ。女川町は、1万人以上いた人口が1年で約17%減少。約8300人にまで落ち込み、減少率は宮城県内で「ワーストワン」。若者や子供を持つ世帯の流出に歯止めがかからない。

 住民に人口激減の理由を聞くと、水産工場や宿泊施設等が津波で流されたことなどによって「雇用の場がなくなった」との意見が一番多い。ほかには「防波堤の整備が進まず、怖くて戻れない」「町内に原発があるから」との回答が続く。

 女川の復興が進まない理由は、もう一つある。復興に使われた国民の税金が被災地に落ちないということだ。ガレキ処理の作業員やゼネコン関係者、自治体関係者らは、女川町内に宿泊しない。町の中心部にあった旅館などの宿泊施設が、ほとんど津波で流されてしまったためだ。同町の復興支援に当たる作業員らは、隣接する石巻市や、東松島市、仙台市内から「通勤」している。

「町内には目ぼしい飲食店がないため、仕事が終わると石巻や仙台に直帰してしまう。女川の地元経済は潤わない。私の店は津波で流されなかったが、震災前に比べてお客さんが減った」と女川町の商店経営者は嘆く。

⇒ガレキ処理より必要なこと【女川町の場合】(2)へ続く
http://nikkan-spa.jp/184104

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