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収入減なのに出費は増える…急を要するシングルマザーへの支援

 新型コロナの影響が、過去に例のないスピードで拡大している。自粛、休業、感染リスク……今は全国民が何かしらの影響を受けている状況だが、なかでも大きな被害を受けているのが、以前からギリギリの暮らしを続けていた生活困窮者たちだ。元から脆弱だった生活基盤が、一気に崩壊しかけている。

助けたいのに手が出せない。追い詰められる「支援現場」

コロナ貧困の絶望

写真提供/おひさまキッチン

 新型コロナの感染拡大は、シングルマザー世帯への影響も甚大だ。母子世帯を支援するNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が会員へ行ったアンケート(調査期間’20年4月2~5日、回答数215人)では、新型コロナの影響で約半数の世帯が収入減し、6%は収入ゼロという結果になった。同法人の小森雅子氏が話す。 「シングルマザーは就労人口こそ多いものの、そのうち6割以上がパートや派遣社員などの非正規で、雇用状況はきわめて不安定です。また、収入が減る一方で、子供の休校などで出費は増える。日頃からギリギリの世帯では、少しの負担増も大きくのしかかります。『食費や光熱費が増えた』『子供の入学費用とも重なり、生活費が捻出できない』『子供の預け先がないのでパートのシフトに入れない』という声が毎日何件も届くんです」
コロナ貧困の絶望

電話相談は週2回、年間500件以上もの相談が寄せられている

 政府の緊急経済対策支援では、一人あたり約1万円の児童手当の加算が決定している。 「ただ、児童手当の対象は中学生まで。家計の担い手になる高校生もアルバイトの機会が減っているため、食べ盛りの子供を抱える家庭への負担は大きいままです。不安のなかで労働と育児で疲弊した親からは『子供に手を上げてしまいそう』という相談もあります」  また、一人親の場合、感染したときのリスクも大きい。 「『私が倒れたら子供はどうすれば』という不安も寄せられています。狭い家の中で子供を放っておきながら隔離できるわけがないし、もし入院となれば身寄りがない子供はどこで預ってくれるのか」
コロナ貧困の絶望

企業などから寄せられた物資

 これまではセミナーや面会を通じた支援も行ってきたが、感染予防の観点から直接会っての手助けができない。そこで、同法人では3月の初めから一斉休校を乗りきるための食糧支援を始めた。 「全国の支援団体と共に、1100世帯にお米を送りました。また就労支援セミナーやイベントが軒並みできないので、電話相談のほかに、Zoomを使って会員同士がおしゃべりする『ママカフェ』も始めています。母親が外に助けを求める機会が減っているし、少しでも息抜きをしてほしいので」  感染リスクとも闘いながら、支援を続けるべく知恵を絞っている。 「経済的に厳しい」「親の帰宅が遅い」など、さまざまな理由で満足に食事をとれない子供たちに対し、無料や低価格で食事を提供する「子ども食堂」にも新型コロナの影響が出ている。NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」理事の釜池雄高氏が現状を話す。 「小学校の休校要請が大きなターニングポイントでした。あれによって子ども食堂を休止、もしくは延期する場所が多く出てきた。それでも3割くらいの子ども食堂は継続していたのですが、緊急事態宣言でほぼ休止に。運営者の方々のなかには『苦しんでいる人たちがいるのに、助けられない』というジレンマを抱えている方が多いと思います」
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子ども食堂も休業
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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