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困窮学生やひとり親世帯に食べ物を。コロナ禍で広がる支援の輪

 新型コロナウイルスの影響で困窮する学生やひとり親世帯に向け、食材支援の動きが広がっている。地元農協やフードバンク団体に協力を呼び掛けて集まった食材が、配られている。コロナ禍で支援が行き届きにくい状況になっている中、関係団体ではより密接なサポートの必要性を感じている。
食材配布

神奈川県相模原市が実施した大学生向けの食材配布

 感染症対策に気を配りながら活動を続ける2つの取り組みを報告する。

相模原市内の大学生向けに6月末まで食材配布

食材支援

受付にやって来た学生。ビニール製の「間仕切り」越しで職員が応対した

 神奈川県相模原市職員が3日、ビニール製の「間仕切り」で作った受付窓口に来た学生の対応に当たった。市内の大学に通う学生または市内在住の大学生かどうか、各自が持参した学生証を見せてもらいチェック。受付を済ませた学生たちは、一帯に並べられた野菜やインスタント食品を手に取って袋にいれた。 食材支援 市内の大学で獣医学を学ぶ修士課程の男子学生は初日の5月31日に続き、この日が2回目の来訪。レトルトカレーや3合分の米をもらった。「友達に紹介してもらって来たけど、とても助かってます。学校も忙しくなってきてバイトがなかなか入れなくなり、食費は抑えたかったので自炊する機会が増えています」と感謝を述べ会場を後にした。

「学生たちへどんなサポートできるか」地元農協などと協力して実現

 市内に7つの大学がある相模原市では、今月末まで市青少年学習センターを会場に配布を続けている。市民有志や地元農協から日ごとに食材の寄付を受け、並べられる食品は20、30種類に上る。1人1回につき最大7点まで持ち帰ることができ、日曜日以外の毎日開催している。期間内であれば何度も訪れても良いことから、リピーターも少なくない。連日100人を超える学生が、訪れる盛況ぶりだ。 大学「7大学がある相模原市は、学生の街です。学生たちにどんなサポートができるか市として考えてきました」と、市こども・若者支援課の佐々木純司課長は企画理由を説明した。同市では、アルバイトで生計を立てる学生がコロナ禍でさらに困窮しないかと早くから懸念を抱いていた。佐々木さんは若い職員らと話し合い、学生たちにどんなサポートが必要かを話し合った。生活を切り詰める学生へ食材配布で後押ししようと、緊急事態宣言明けから本格的な支援に乗り出した。  31日オープニングイベントでは、地元飲食店の協力でキッチンカーによる弁当配布も行われた。噂を聞きつけた学生246人が集まり、大にぎわいだった。佐々木課長は「学生たちからとても好評を受けています。地元産の野菜など食べてもらい、卒業後も相模原で活躍する人たちになってほしいです」と話す。

日本初のフードバンク団体、ひとり親世帯への支援強化

配布時の様子

配布時の様子。ソーシャルディスタンスを確保している

 日本初のフードバンク団体で認定NPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」では、ひとり親世帯への支援をさらに強化している。休校や給食中止が続く世帯などを対象に1回1人当たり8~10kg食材配布を続けている。同法人によると、食糧を提供するための拠点「フードパントリー」(東京・浅草橋)での週4回の配布は1日200人に及ぶこともあり、新型コロナ前と比べて来訪者は約2倍に増加している。広報担当者は、利用者から聞き取った現状を踏まえて、こう説明する。 「学校再開の前は給食がなく、各家庭で子どもたちに3食きちんと提供することが大変なようでした。パートに入れず苦労している親御さんも多かったようで、主食のお米やパスタを配布すると喜ばれました」 食材支援
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