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サッカー日本代表、アジア最終予選に黄色信号。選手、スタッフ間に漂う慢心

システムは柔軟に変えていくべき?

 このように今の日本代表は起用する選手の特徴を生かせば、バリエーション豊かな攻撃を展開できる可能性を秘めている。森保一監督も「人が替われば戦術も立ち位置も多少は変わる」と、意識した選手起用を考えていることを断言している。  しかし、4-2-3-1のシステムにはめ込んでいる現状は、時に選手たちの特徴を消しているように思われる。選手らに役割を理解させるためにシステムという方法を使って浸透させていくのだが、自分の特徴を発揮するためにはシステムという型を破ることもサッカーでは必要になる。  現状の日本代表を見ていると、システムが枷となって本来の特徴を出しきれていないように感じる。生真面目な日本人らしく指導されたシステムを優先して、相手に合わせた臨機応変さが欠けているのではないだろうか。そういった選手たちにわかりやすく説明して戦術を浸透させるために、相手によって多少のシステム変更を行ったほうが成果が出るように思える。  中国のように引いてくる相手には後方の選手に数を割く必要はないので、4-1-4-1や4-1-3-2といったシステムを採用したほうが選手に意図は伝わるのではないだろうか。また、オマーンのように中央を閉めてくる相手には4-3-3や4-4-2のシステムを用いて戦術を展開したほうが効果的だったように感じる。  システム変更はあくまでも手段のひとつで、4-2-3-1のままでも構わない。最終予選突破のカギは、相手の戦術を崩すのに効果的な選手を用いて、選手が持つポテンシャルを発揮できるように準備することにある。それさえできれば、特別に何かを変えることなくカタールへの道が見えてくるだろう。 <文/川原宏樹>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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