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<純烈物語>純烈にとって特別な場所が消えていくと、そこには巡り合わせがあることに気づく<第119回>

“10万円飲み食い”は「計算づく」と言い張る酒井

 第1回ライブにおける“10万円飲み食いエピソード”について、平澤さんが笑いながら「逆にすごいと思いました」と言っていたことを伝えるや、酒井は本領発揮。その時点で、計算の上やったことだと主張し始めた。 「普通の演歌歌手じゃないぞ、何なんだこいつら!? と思わせないとダメじゃない。自分の性格だったら、本当なら鰻重は頼むな! なのよ。でもそこは、高いのを食わせてもらった代わりにガンガン返すから任せておけと。あいつらと絡んだらプラスになると思われないと、わらしべ長者で来ているから。あいつ粗悪品と交換しやがったなとか、酒井ズルしたなということだと評判が回って信用失って、使ってもらえない。  そこは俺のスーパー極意だから。お金という部分が欲しいヤツはお金だし、何か充実感とか楽しさとか衝撃とか冒険とかいろんなことをとり揃えた上で、相手はこれが欲しいんだろうなということで大喜びしてもらうのが純烈として、自分の生き方として大事なことなんで」  あとづけではという、うがった見方を否定し絶対的な勝算を高らかにぶち上げる酒井一圭の得意ムーブによって、純烈の東京お台場 大江戸温泉物語ストーリーは締めくくられた。それは、いつの日かNEXTが訪れるという余韻になり、激しく降りしきる雨に流されることなく包むように立ち込めたのだった。 (この項終わり) 撮影/渡辺秀之 ※次回にて本連載「白と黒とハッピー~純烈物語」は最終回を迎えます。2年3ヵ月間、純烈というグループを追い続けてきての思いを、最後に綴らせていただく予定です。よろしくお願いします。(鈴木健.txt)
(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。
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