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たばこ値上げでもめげない喫煙者たち。もはや意地と根性で「吸い続ける」

禁煙した結果、仕事に支障が…

タバコ 明さん(仮名・44歳)は喫煙歴22年の塾講師。現在は自宅で紙巻たばこを吸い、外ではプルームテックを愛用している。一度だけ禁煙にチャレンジしたが、1ヵ月で終わったそうだ。 「副業で禁煙関係のアフィリエイトサイトを作った時、試しに禁煙してみました。吸いたくなったら市販の禁煙ガムを噛んでいましたが、眠気がひどくなってしまって……。職場で使い物にならなくなってしまうので、今回の値上げでも禁煙は考えていません」  ストレス解消と息抜きを兼ねて喫煙している明さん。だが、吸い続けるいちばんの理由は、「眠気防止」だ。 「眠気の問題で、仕事をしているうちはなかなかやめられないですね。独身で一人暮らしなので、誰かに何かを言われることもありませんし。会社を辞めて自営業になるなら、断煙や禁煙をしてみるのもアリかなと思っています。既婚者の上司は、奥さんから『1日〇本まで』と制限されているようです」  今回の値上げについて、明さん自身は気にしていないそうだ。しかし思うところはもちろんある。 「数十円単位の値上げで、釜茹でカエルのように慣れさせられちゃっているんでしょうね。例えば一気に1000円に値上がりするなら、やめることも考えますが……今まで通り少しずつ値上げされて、最終的に1000円になったとしたら、やはり自分は気にしないんだろうなぁと思っています」  真綿で首を締めるような、数十円ずつの値上げ。その根競べに嫌気が差し、今回禁煙に踏み切った男性もいた。

「値上げに疲れた…」喫煙者のホンネ

タバコ「健康や家計への危機感はありませんでしたが、度重なる値上げに付き合う気が失せてしまいました」  そう語るのは、小売店勤務の一樹さん(仮名・33歳)だ。一樹さんは喫煙歴10年以上のヘビースモーカー。1日あたりの消費量は30~40本だった。今回の値上げに合わせて禁煙を開始し、すでに1ヵ月以上続いている。 「度重なる値上げにうんざりしていたのと、職場での会話がきっかけです。上司や同僚と値上げの話になった時、『ヘビースモーカーは絶対に禁煙失敗する』ってみんな笑っていたんですよ。じゃあ、逆張りで禁煙してやろうと思って(笑)。それで成功したら面白いじゃないですか」 「自分だけ禁煙に成功して、禁煙できない同僚を煽り散らかしたい」と語る一樹さん。理由の是非はどうであれ、最大限のモチベーションになっているようだ。禁煙を成功させるため、ニコチンフリーのVAPEを併用するところからスタートしたという。
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禁断症状で自問自答「それでいいのか?」
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福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0

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