お金

「公営ギャンブルはやる前から負けている」は間違っている

「どうせ負ける」は単純に技術不足

ボートレース

写真はイメージ

 こういうことをいうと「そもそもギャンブルなんて負けるように出来ている」というセリフが帰ってくる。大半のギャンブル好きには耳の痛い話かもしれない。だが、これも先ほどと同様なことがいえる。  オッズが開示されている世界で負けるのは単純にその打ち手の技術不足だ。よくよく考えてみればわかることだが、どの投資やギャンブルの世界にもプロが存在している。  彼らは研究や努力を重ね、勝てるところまで技術を上げてきたわけだ。結局、負けている人というのは技術が不足しているだけである。  そして、先ほどの「そもそもギャンブルなんて負けるように出来ている」という人は、ギャンブルを嫌いか、興味がないか、もしくは努力不足で負け続けて嫌いになったかのいずれかであり、技術を高めたことがない人たちである。これはギャンブルに限った話ではなく、仕事でも恋愛でも投資でも、何にでも当てはまることではないだろうか。  ギャンブルを嫌いか、興味がないか、という人がそう発言するのはしょうがないと思うが、もしくは努力不足で負け続けて嫌いになった人は、とどのつまり、ただの言い訳である。

25%負けで済む平均値になれるなら立派な趣味だ

 また、回収率が100%を超える勝ち組ではなくても、本当に控除率分だけ25%負ける平均的な技術をもって公営ギャンブルを楽しむことができるのであれば、それは趣味としてかなり優秀である。  趣味にどれほどのお金を使うか。人によって豊かさの基準は違うだろうが、金額だけ見ても、1日競馬場で1万円の予算で遊び、帰るときに控除率25%分の2500円を負けて、平均7500円を持って帰るようなら、他の趣味でいえば2500円使って1日遊んだことと同様のはずである。  もちろん平均値なので、日によっては勝ったり、1万円負けたりもするだろう。だが、長期的に1日2500円程度の負けで済む趣味を、毎週土日にやっているだけならば、出費は2万程度だ。平成20年に行われた統計局の調査では教養娯楽に使う支出の平均額は25,359円である(参照:家計調査の見方・使い方)。いたって普通であるといえるだろう。  そして、月2万円が大きい額だと思うならば予算や打つ日を減らせばよいし、大負けしたのならば無理せず次週は控えるといった調整をすればいい。そんな控えた日でも技術を上げるために予想を研究する時間に費やし、技術を上げることは、そのギャンブルを好きならば可能なはずである。  ギャンブルは課金で強くはならない。お金を賭けなくても技術を上げることはできる。そして、予算管理はきっちりやる。これを理解できておらず、ずるずると打ち続けて負ける人は依存しているということになってしまう。  ギャンブルに興味がない人も、打つ人も、一定のギャンブルリテラシーをもってお互い理解しあえるようになることを願っている。 文/佐藤永記
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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