更新日:2021年12月13日 08:08
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おっさんだけが知る厚木の本当の魅力。本厚木駅前のダブルファミマは異世界への扉

ossan2-2【おっさんは二度死ぬ 2nd season】

本トの厚木

 おっさんは迫害されすぎじゃないかと思っている。  おっさんはキモい、油っぽい、ウザい、空気読めない、死ね、みたいな言説は特にネットにおいて活況だ。みんなちょっと、おっさんなら傷つけてもいい、なんて思っているんじゃないだろうか。もしそうならそれは大きな間違いだ。  私生活を見てみても、家庭がある場合は家庭でも疎まれ、臭い、邪魔と罵られ、家庭がない場合は孤独を貪り、壁に佇むハエトリグモだけが友達だ。職場では血気盛んな若手に使えない老害と揶揄され、空気が読めない氷河期世代と上層部からのウケも悪い。  おっさんたちを疎ましく思う人々にも言い分はあるのだと思う。おっさんが悪い部分も多分にある。それでも、もう少しおっさんが快適に生きてもいいんじゃないだろうか。おっさんだって傷つくし、嫌われればいい気はしない。そんな気持ちを込めて、この「おっさんは二度死ぬ」では、そんなおっさんが心の底から安らぐことができる憩いの場所をシリーズで紹介していきたいと思う。  シリーズ1回目は「東名厚木健康センター」だ。こちらは日本初の健康センターを創業した湯の泉グループが経営する健康ランドで、神奈川県厚木市に存在する。店名からわかる通り、東名高速で東京から名古屋方面に向かうときに厚木インター近くに見える建物だ。

撮影:pato

 埼玉県の草加市にある草加健康センターと双璧をなす存在であり、この世に現存するすべてのおっさんが一日を過ごすべき施設だ。

東名厚木健康センターの素晴らしさとは

 東名厚木健康センターについて語る場合は、サウナについて語らなければならない。このサウナは、週刊SPA!本誌にも掲載された「サウナ愛好家1000人が選ぶ“行ってよかったサウナ2021”」において錚々たるメンツに並んで第10位にランクインした実力派サウナだ。  詳細は本誌の記事に譲るとして、一言だけ東名厚木のサウナの特徴について語ると、その「熱さ」が群を抜いているという点だ。そのサウナの熱量は、米軍が未開の村を焼き討ちにするときのレベルと表現される。  サウナ内にはサウナマットが置かれているのだけど、あまりにサウナ内が熱いものだからそのサウナマットも熱した鉄板みたいになっている。油断してそのまま腰掛けるとキンタマを火傷するレベルに熱される。読者諸兄は十分に注意されたい。下手したら熱膨張でキンタマがパァン! と破裂するんじゃないかといつもハラハラしている。それくらい熱い。  また、熱いサウナともなるとどうしても限界まで頑張ってしまいがちだが、東名厚木の場合は限界まで頑張ってはいけない。やばいやばい、ギリギリだーと出口に歩いていこうとすると、出口までのルートが鬼のように熱い。真夏の砂浜みたいになっている。まともに歩けないので時間がかかる。そこで限界を超えてしまうことがある。出口まで時間がかかることを考えて限界の少し手前で出ることをお勧めする。  もちろん、その後の水風呂も最高だし、露天スペースを利用した外気浴も最高である。風呂、サウナ以外の場所に目を向けてみても、食事処のチャーハンは世界一美味いチャーハンで、サウナで塩分を失ったあとに食べると五臓六腑にチャーハンが染み渡る感覚を体験できる。  食事処では時間帯によってはビンゴ大会を催しており、参加してみるのも良い。入浴無料券が当たるし、ビンゴして大喜びのあまりオクラホマスタンピートみたいな状態になっている婆さんを見ることもできる。
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厚木名物、ダブルファミマ
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テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri

pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――


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