更新日:2021年12月27日 07:20
カーライフ

燃費が悪いクルマは損って本当? 車両価格と合わせて徹底試算した結果

東京ー大阪間をクルマ移動すると…

C220d

筆者が借りた時点では、最新型だったディーゼルのCクラスワゴン。C220d

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  腕時計とクルマが好きな私は、現在、メルセデス・ベンツのW140型Sクラスに乗っています。その燃費は東京都内が5.5km/L、高速が7km/L程度といった程度。私は、ドケチを自称しているのですが、そうであるにも関わらず、こんなに燃費が悪いクルマに乗っているわけです。  ずいぶん矛盾するかのような行動ですが、実は、ケチの観点では「燃費が良い」ということは、必ずしもお得とはいえない側面があります(もちろん、燃費以外の点でもW140にお金がかかることに違いはありませんが)。ということで、今回は「燃費が良いは、お得なのか」ということについて考えてみたいと思います。  実は私、近頃往復1000kmほど移動する予定があって、その際「電車で行くか、クルマで行くか」を迷った結果、それぞれにかかる費用を計算してみたのです。私は東京在住なのですが、今回の行き先は大阪。燃費が悪いW140で行くと、高速代と燃料代を合わせると4万5千円程かかるという計算になりました。それに対して、新幹線を利用すると、指定席で3万2000円程度。ちなみに、東京大阪間のグリーン車の往復料金は、定価4万4000円という結果でした。

燃費の良い車なら1万5000円圧縮

 つまり、W140で東京大阪を往復すると、グリーン車を利用したのと同じぐらいかかるということになるわけです。ちなみに、グリーン車も、スマートEXアプリで3日前に予約すれば、指定席並みの料金で乗れることができるため、W140での東京大阪往復は、かなり高いということになります。  ここで私は、8月頃に、約1ヶ月にわたって借りていた代車の燃費の良さを思い出します。そのクルマは、メルセデス・ベンツのC220dだったのですが、燃費が良いということに加え、燃料が軽油と安価。そのため、長距離の燃料代は、プリウスや燃費の良い軽自動車並であるのです。  そうして、私が使っていた際のC220d燃費、13km/Lで計算したところ、東京大阪往復の料金が1万5000円減という結果になりました。  ですから、この時私は、「燃費が良いクルマは良いなぁ」と率直に思ったのです。  前から年間1万km程度ぐらいの走行であれば、燃費は気にする必要がない、と思っていました。けれども、体感的には、『長距離移動で1.5万円の差が出る』ということは、「かなり大きい」と感じてしまったのです。

年1万km走行すると「意外と差がない」印象に

 そこで、年1万km走行するとして、C220dとW140との燃料差がどの程度になるのか、算出してみました。W140は、冒頭でもお伝えしたとおり、都内下道を走ると燃費が5.5km/L、なおかつハイオクです。それに対して、C220dは都内下道でも9km程度は走り、燃料は軽油。ただ、私は常に都内下道を走っているわけではないため、両者の平均値として、C220dは13km/L、W140は7km/Lとしました。  すると、年1万km走行した場合の差は、W140が15万円高いという結果。1000kmの10倍だから当たり前といえば、当たり前ですが。  しかし、この結果を見た私は「意外と差がない」と思いました。  年15万円という差は、クルマの維持費としては、誤差ともいえる範囲。この年間15万円という燃料代を浮かしたいと思って、クルマを買い換えるのであれば、そのほうが高くつくと思ったのです。
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燃費が良い新車と悪い中古車、どっちが得?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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