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東京ディズニーリゾート「541億円赤字でも株高」のナゾ。ファンが買い支えている可能性も

オリエンタルランド、株高継続

東京ディズニーランド 休園中

 昨年の緊急事態宣言下では、休園を余儀なくされていた

 21年の最大の「ナゾ」はオリエンタルランドの株高継続ではないでしょうか。本連載では以前、「東京ディズニーリゾート、休園4か月目でも株価はV字回復…なぜ?」でオリエンタルランドの強みについて言及いたしました。  執筆当時の20年6月は営業自粛などによって「来場者0人」の日々が続いていたにもかかわらず、株価1万1250円の安値から1万6000円まで回復し、V字回復を遂げたのです。それから、度重なる緊急事態宣言、来場者数の制限や、オミクロン株の出現などで、オリエンタルランドに取って厳しい状況であることは、今も変わりありません。  にもかかわらず、株価は一時2万円を超えるような、強い値動きが続いています。なぜ、オリエンタルランドは、これほどまでに株価が好調なのか?21年の締め括りにふさわしい、企業分析をお届けしましょう。  

入場制限で21年は541億円の赤字

オリエンタルランド

オリエンタルランド(4661)

 コロナのダメージを受けるエンターテインメント産業、飲食店、航空業界の中には、経済再開に向かう中でも、株価の立ち上がりが重い企業が多いです。オリエンタルランドも業績は赤字に転落していますので、業績から見ても株価の値動きは、ある意味“異常”です。  まず、業績を確認しましょう。オリエンタルランドの決算情報をみると2020年のコロナショックから売上は大幅にダウンし、純利益もマイナスになっています。 ●売上高 2020年   4644億円 2021年   1705億円 2022年(予)2390億円 ●純利益 2020年    622億円 2021年   ▲541億円 2022年(予)▲175億円  赤字に転落し、22年の予想も175億円の赤字見通しです。 オリエンタルランド ただし、四半期ベースで見てみると、2022年3月期 第2四半期決算発表の資料では、 ●売上高 20年  591億円 21年  975億円(65%増)  と、回復しています。休園を迫られていた時期の最悪期からは脱していることが業績からも確認できます。
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財務状況は安定している
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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