櫻坂46・乃木坂46。それぞれの紅白への思い
第72回紅白歌合戦のリハーサル初日に登場した日向坂46に続き、2日目にも坂道グループから櫻坂46と乃木坂46が記者会見に臨んだ。
櫻坂46は改名してから二度目の出場。キャプテンの菅井友香は、「メンバー23人全員の総力戦で紅白のステージでしかできない、1年の最後に相応しいパフォーマンスになったらいいなと思っています」と心境を語った。
今年は欅坂46時代からグループを支えてきた、前副キャプテンの守屋茜と渡辺梨加が卒業して新体制が発表されるなど、変化も多かった。菅井は1年を振り返り、「グループが内側からも変わってきた」と話し、「2期生が表題曲のセンターに立ってパフォーマンスするようになって、グループも前進したと思います」と自信をのぞかせた。
今回披露するサードシングル「流れ弾」は、ダイナミックなダンスパフォーマンスが魅力の楽曲だ。センターを務める2期生の田村保乃は、「紅白の舞台に全員でこの楽曲を披露できることはすごく気合が入る。今できる最大限の完成されたパフォーマンスを見せたい」と話した。それに加えて森田ひかるも「基本は前を向いて攻めていく姿勢だけど、天を仰いだりとか……」と、紅白ならでの特別な演出があることも匂わせた。
グループの顔として急成長している山﨑天は、今年を表わす漢字に「愛」を挙げた。「この難しい状況のなかでもライブをさせていただいたり、櫻坂として初めてのツアーも回れた。Buddies(ファンの愛称)から感じる愛と、表題曲やカップリングでも、愛について語っているような歌詞が多かったので、とくに愛を感じた1年でした」とコメント。
グループの絆がより深まった櫻坂46が、紅白の舞台をどう彩るのか注目だ。
そして、今年結成10周年を迎えた乃木坂46。キャプテンの秋元真夏は、「この大事な年に7回目の紅白歌合戦に出場させていただけることは、メンバーとしても色々な思いを持って臨まないといけない。ここから11年、12年目と歩んでいく、初めの1歩になればいいかなと思っています」と意気込んだ。
また年内で卒業を発表している生田絵梨花にとっては、アイドルとして最後のステージとなる。リハーサル映像では、生田がピアノ伴奏を務めて、他のメンバーたちが寄り添うように歌う姿が見られた。生田は「演奏していると、いつもの歌って踊るパフォーマンスとは違って周りの景色を客観的に見れるんです。『ここから巣立っていくんだな』っていうのも感じながら大切に歌いたい」と話した。
その言葉を受けて、遠藤さくらは「すごく寂しい気持ちは大きいけど、生田さんにとって素敵な最後のステージになるように私も精いっぱい頑張りたいです」と応えた。苦楽を共にしてきた1期生の齋藤飛鳥は「最後の最後のステージにピアノを弾くという演出を作ってもらえたのも同じメンバーとして嬉しい。『うちの生田はすごいんだぞ』っていうのを見せつけていただければ」と笑顔。
メンバーたちの温かい言葉を受けて、生田も「みんな優しいな」としみじみ。会見中に感極まる生田の背中に手を添える齋藤の姿が印象的だった。
近年は主要メンバーの卒業が増え、世代交代も加速している。今年1月に発売された最新シングル「僕は僕を好きになる」でセンターを務めた山下美月は、「来年はちゃんと3期生や4期生がグループを引っ張っていかないといけないと、一人一人が自覚している。生田さんの背中を見て、しっかり学べるステージにしたいです」と話す。
そんな頼もしい後輩たちの成長を見守ってきた秋元は、「ここまで10年間で繋いできたものを、後輩たちへ渡して、繋いでいってもらいたいという気持ちもある。そこから新しいものに変えて、新たな風を吹かせてほしい」と期待を寄せた。
10年間の集大成となる紅白のステージをしっかり目に焼きつけたい。
取材・文/吉岡 俊
結成10周年の節目の紅白、そして生田絵梨花のラストステージ
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