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いま買ったら損する? 高級腕時計の価格が上がり続ける状況はバブルなのか

高級腕時計は今バブル状態なのか?

高級腕時計

高級腕時計

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  先月の記事「200万円のロレックスがひと月で300万円台に。高級腕時計が異常な値上がり」でもお伝えしたように、2022年になってから多くの高級腕時計が「かなり上昇している」状況となっています。例えば、ロレックスサブマリーナーの116610LVは、昨年12月時点で、中古最安値が250万円台でしたが、今年1月には330万円台にまで上昇。わずか1ヶ月という短期間で、80万円ほどの値上がりとなったのです。  ちなみに、116610LV中古個体の平均値では、2021年1月⇒2022年1月、1年間の伸び率が149%となっているのですが、これはこの3年において最も大きな値動きであります。  こういった値動きは、このサブマリーナー116610LVに限らず、多くの高級腕時計で起こっているわけですが、そういった状況を「バブル」と表現される方がいます。  ということで、今回は、今の高級腕時計市場が「バブル状態」なのかを考えてみたいと思います。

バブルといわれる理由

 なぜ今、高級腕時計が「バブル」と言われるのか、その理由についてですが、これは単純に「今までの感覚と異なる価格帯にまで高くなっている」からです。  高級腕時計で最も人気といった存在感なのは、「ステンレスのデイトナ」だといえますが、その現行モデルは2016年3月にデビューした116500LN。デビュー当時の定価は130万円程でしたが、同年10月の新品実勢価格は、白文字盤が約194万円(新品実勢価格、安い順の3社平均値)となっていました。    では、そんな116500LN白文字盤の現在はどうなっているのか。その答えは、約538万円(2月18日時点の中古最安値)であるのです。  2016年の『約194万円(定価+数十万円)』といった時点でも“割高感”があったのに、それが今では500万円台となっているわけです。  ですから、これを見て、「バブル」と言いたくなる気持ちもわからないわけではありません。  また、2016年頃まで、定価を上回る状態となっている腕時計は、先に例に挙げた“ステンレスのデイトナ”など、ごくわずかなモデルといった傾向でしたが、今では、数え切れない程多くのモデルが「定価超え」となっているのです。  例えば、「デイトナ」といっても、2016年頃まで入手困難といわれていたのは、ステンレスのみで、イエローゴールドなどの高級素材であれば、その入手難易度は高くありませんでした。  それが今や、イエローゴールドのデイトナも定価を大きく上回っているわけですが、それに限らず、かつて「入手困難」とは程遠かったようなモデルが定価超えとなっているわけです。
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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