奥田民生が新シングルで紙コップを叩いた音を使った理由「大事なのは面白いかどうか」
才能に溢れ、いつも自然体でかっこいい“大人の男の憧れ”の存在、奥田民生。3月9日にはソロで成田凌主演の日本テレビ系ドラマ『逃亡医F』の主題歌「太陽が見ている」のCDをリリースするほか、バンド・ユニコーンとして全国ツアーや、寺岡呼人、トータス松本、YO-KING、浜崎貴司、斉藤和義とのバンド、カーリングシトーンズの活動など、コロナ禍になって以降、むしろその活動はより多岐にわたる。
また、コロナ禍以前に始めていたYouTubeでは、ひとりでさまざまな楽器や道具を駆使して多重録音して曲を作るさまを見せていく『カンタンカンタビレ』等、数々のコンテンツを積極的にアップし、チャンネル登録者も約16万人と好調だ。
彼がYouTubeの動画を撮影する、自主レーベル「ラーメンカレーミュージックレコード」のスタジオにて、インタビューを行い、ソロやバンド、YouTubeの活動から、キャリアを重ねた今考えることまで、話を聞いた。
──YouTubeのチャンネル登録者数が10万人を超えると贈られる、銀の盾が飾ってありますね。
まあでも、銀だからね(笑)。金じゃないから。YouTubeは、多重録音で音楽を作ることの喜びを伝えようと思って始めたんだけど、その喜びがわかる人なんて少ないじゃない? ものすごくニッチなところに向かってやってるから、万人が見る内容じゃないわけよ。
その割に、銀の盾をくれたからびっくりはしたけど、まあ、商売にはまったくなってないよね。でも、次に新しい企画も考えていて、今はその準備段階なの。そろそろ動画を撮り始める段階には来てるんだけど、アップするのは夏ぐらいかなあ。
──ちなみに、2020年にアニメ「ハクション大魔王2020」に書いた「サテスハクション」や、NHKの「チコちゃんに叱られる!」に出演したときに頼まれて引き受けた「叱られたい!」は、番組の性格上、どんな曲を書けばいいのかわかりやすかったと思うんですけども。
そうだね、うん。
──今回の「逃亡医F」(日本テレビ系)は、ドラマだし、もう少し抽象的な依頼だったのでは。
いや、そんなことない。なんとなくわかるじゃん、「明るい曲じゃないな」っていうぐらいは。最初に台本を読んだんだけど、暗い話だから、暗い曲でいいんだな、主人公が逃亡してるから、逃げてる曲だな、と(笑)。あとはまあ、(主演の)成田(凌)くんの顔を思い出しながら。でも、最初の段階では……曲の後半で盛り上がってんじゃん、歌も演奏も。
──そうですね。紙コップの音のリズムとアコースティック・ギターと歌だけで始まって、だんだん音が増えて、最後はラウドなバンド・サウンドになっていく。
あれ、最初は、あんまり盛り上がらないまま終わろうとしたら、「もっと盛り上がってください」って言われて(笑)。で、無理矢理盛り上げたんよ。もうちょっとなんつうの、ヒタヒタヒタ、っていう感じで終わろうかな、と思ってたけど。ハッパかけられました(笑)。

YouTubeは「ものすごくニッチ」
「もっと盛り上がってください」って言われた(笑)
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