「宮迫の牛宮城、行ってきました」系のYouTube動画が見ていてツラいワケ
文/椎名基樹
宮迫博之の焼き肉店・牛宮城がついにオープンした。開店日に駆けつけることを、いち早く予告していたエガちゃんをはじめ、たくさんの有名人が来店し、皆それぞれ料理の感想をネットで発信した。皆注目が集まるコンテンツとして、目ざとく牛宮城の開店を捉えたようだ。
現在テレビの世界では、自腹で爆買いしたり、出演者が自分の家や別荘を買ったり、大物芸能人が巨大スーパーでゲストに奢ったり、お金を使う演出を多く目にする。しかし、出演者がギャラを受け取りながら「自腹」と言われても、見ている側はどこか乗り切れない。
バラエティー番組は、リアルとフィクションが、ないまぜになっていなければ成立しない。出演者の「リアルな」反応を得るための「自腹演出」なのだろう。コンプライアンスのために、出演者を肉体的に追い込むことができなくなったために、「身銭を切る」ことに「リアル」を引き出すアイディアが集中しているようだ。短絡的ではあるが、制作側の苦労も感じる。
牛宮城オープン、有名人が続々と
ネットニュースに反応することは、ネットで発信する者の話題作りの基本だと思うが、この牛宮城の一件ほど話題性が高く、しかも明るい、もっと言えばバカバカしい題材は、過去にあまり見なかったように思えた。「炎上」とは別方向の話題であるのが、ちょっと新鮮に感じた。
テレビでは“自腹系”コンテンツが増えたけど
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1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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