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90万円で買ったノーチラスは1900万円に。腕時計投資は転売行為なのか?

90万円で買ったノーチラスは現在1900万円

ノーチラス

約90万円で購入⇒現在1980万円

 私は、今から20年前、中3のときにパテックフィリップアクアノートを購入し、高1になってからはノーチラスを購入しました。アクアノートは62万円、ノーチラスは約90万円で買ったのですが、現在の中古相場はアクアノートが約800万円、ノーチラスは1900万円程度となっています。  では、買った当時、アクアノートとノーチラスが入手困難だったかというと、まったくそんなことはありません。むしろ、ノーチラスに関しては、新品を約90万円で購入。当時の定価、約135万円よりもだいぶディスカウントされた状態でも、誰も欲しがっていない状態だったのです。  しかし、今やそれが世界中の富裕層から需要があるアイテムへと変化しているわけで、特にノーチラスについては、若い人を含め多くの人から「憧れのアイテム」となっています。  ちなみに、私がノーチラスを買った当時、多くの人にとって、どの時計が「憧れアイテム」となっていたかというと、フランクミュラーであります。当時、ノーチラスを買った私は、誰からも羨ましいと思われず、「ダサい」とか「時計を分かっていない」とか散々バカにされたぐらい。その当時、多くの人に褒められたかったならば、フランクミュラーを買うべきでした。  また、90万円で買ったノーチラスを、買った瞬間売ったならば、おそらく大赤字となっていたことだと思います。  しかし、それでもなぜ私がノーチラスを買ったかというと、魅力があると気づいたから。なおかつ、その魅力を分かっているのは私だけという自信があったからです。  そして、その時の自信は、20年後、1900万円台という相場になって証明されたわけです。これこそが、私が考える“投資”的な買い方であります。

とどのつまり腕時計投資とは

 つまり、腕時計投資とは、自分が欲しいと思った腕時計を「買って⇒使って⇒同額・もしくは高く売る」ことを楽しむ行為であって、「買った瞬間利益確定」を狙う転売行為ではないのです。  また、腕時計を楽しむことを大前提としているため、買った値段よりも安く売却したとしても、その差額で、憧れアイテムを楽しめてラッキーとも思っています。  クルマは、残価設定型ローンがあるように、売る前提で買うのが当たり前。それと同じように腕時計も、いつかは売る可能性があるわけで、買うときに資産性を考えるというのは、至極当然なことであるわけです。  そして、腕時計は、クルマよりも維持費がかからず、値動きする傾向があるために、「使って⇒高く売る」という実現性が高いわけで、効率よく楽しむことが可能。これが、腕時計投資ということなのです。 <文/斉藤由貴生>
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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