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難病の父に笑顔が。移転する名古屋競馬場でおきた奇跡

73年続いた“土古競馬”最後の日

競馬

レース場としては73年の歴史に幕を下ろした名古屋競馬場

 2022年4月8日より名古屋競馬場は、トレーニングセンターのある弥富市に移転します。73年間、地元民に「土古(どんこ)競馬」として親しまれたコースは、3月11日をもって閉場となりました。しばらくは場外馬券売場(サンアール名古屋)として継続するため、未来永劫お別れというわけではありませんが、ここで馬が走るのはこの日が最後。  筆者は幼少期より名古屋競馬場へは父に連れられ訪れていたため、名古屋競馬場は生涯で最も通った競馬場といっても過言ではありません。懐かしい本馬場入場行進曲や発売締め切り音楽、どて煮や味噌串カツなどの名古屋メシを堪能するべく、土古競馬の最終日に弾丸ツアーを決行することにしました。 「土古」と呼ばれるのは、地名に由来します。地元ではあまりにも通称のほうが馴染み過ぎていて「名古屋競馬場までとタクシーで伝えたら、中京競馬場に連れていかれた」というエピソードがあるほどです。この話は場内に掲示されていた思い出話にも投稿されていました。

父が偶然辿り着いた必勝法「外枠作戦」

 今回、名古屋競馬場を訪れたのは、冒頭でも書いた通り、父との思い出が詰まっているからです。  筆者の父は、パチンコも中央競馬も嗜むギャンブル好きでしたが、残念ながら博才はなく、探究心にも欠けていたため、大儲けした姿をほとんど見たことがありません。記憶にあるのは、直前で日和って的中を逃し肩を落とす姿だったり、ギンギラパラダイスで盤面を撫でて魚群を祈るオカルトじみた光景だったり。  しかし、そんな父に名古屋競馬だけは優しかったのです。  ある日のこと、父が買った枠連7-7が的中し、200倍ほどの配当を手にすると、その日を境に、父は、7-7、7-8、8-8の枠連ばかりを買うようになりました。そしてその馬券が、普段の父では到底、手にできないような高配当を何度ももたらしてくれたのです。  ふとした偶然で始めた外枠買いでしたが、後から考えれば合理的だったといえます。  大前提としてダートのレースは、砂を被りにくい外枠が有利になりやすい構造があります。また、地方競馬では事故防止の意味合いで内の砂を深くするケースがあり、その点でも外枠有利に振れやすいのです。名古屋競馬場で多くのレースが組まれている1400mは、スタート地点から初角までの距離が長いため、外枠の馬がコーナーで外を回される可能性が低いというのも追い風でした。  一度の成功体験で取り入れた「外枠作戦」でしたが実は期待値の高い戦術だったのです。パチンコで負け、中央競馬で負けた父が、名古屋競馬の外枠作戦でお金と笑顔を取り戻す、こんなシーンを何度も目撃しました。
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難病の父が競馬場で表情を取り戻す
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