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新品実勢価格180万円が50万円→150万円に。ロレックスの超乱高下モデル

デビュー時の背景

116400GV-間近3年の相場(最安値)

116400GV-間近3年の相場(最安値)

 116400GVが登場した2007年において、高級腕時計界隈はどういった雰囲気だったかというと、まさに今同様「相場が高い」という印象でした。2000年代前半頃の新品実勢価格が38万円程度だったサブマリーナー16610が、その頃50万円以上といった相場になっていたなど、以前の相場を知る人からすると「高くて買えない」という意見が出ても不思議ではない状況だったわけです。  また、その頃といえば、「4桁リファレンス」への関心が非常に高く、高級腕時計に手を出した人が「上級者になればなるほど4桁へ向かう」という傾向があったといえます。この「4桁リファレンス」というのは、1980年代ぐらいまでに製造されていたロレックスを指し、型番が4桁(例:1016)であることから「4桁」といわれています。  そして、その4桁リファレンスの中で、特に高い評価となっていたのがデイトナとミルガウス。デイトナといえば、今も昔も大人気の存在ではありますが、それと同じぐらい「憧れ時計」といった存在にいたのがミルガウスだったわけです。  なぜ、ミルガウスがそういったポジションだったかというと、答えは簡単。シリーズが廃止されていたからです。ミルガウスは、1019が生産終了となった後、後継モデルが出ることなくシリーズ終了。そのため、2000年代には「幻のロレックス」といった雰囲気で、高く評価されていました。  そして、幻だったミルガウスは、突如2007年に復活。その際デビューしたのが、116400と116400GVであるのです。  もちろん、当時の腕時計マニアは、このニュースに驚き、デビューするや否や、新型ミルガウスは、ものすごい高い注目度となっていました。

2007年の新品実勢価格

 では、どのぐらい「高い注目度」だったかというと、それは当時の新品実勢価格を見ると分かりやすいと思います。  2007年といった時期において、ミルガウスはもちろん正規店では入手困難。そのため、定価(116400が68万円程度だった模様)よりも高い価格で新品が販売されていたのですが、その水準は以下となります。 ・116400 白文字盤 90万円 ・116400 黒文字盤 115万円 ・116400GV 180万円 (いずれも2007年12月における有名時計店の新品実勢価格)  ちなみに、その当時、ミルガウス以外で「定価以上」となっていた代表的な存在がデイトナでありますが、そのステンレスモデル、116520の新品実勢価格は以下。 ・116520 白文字盤 132万8000円 ・116520 黒文字盤 143万円 (いずれも2007年12月における有名時計店の新品実勢価格)  今も昔も、最も高いロレックスいうと「デイトナ」という印象がありますが、2007年時点では、ミルガウス116400GVのほうが圧倒的に高かったわけです。  デイトナ116520黒文字盤はミルガウス登場以前まで「最も高いロレックス」というポジションでしたが、その水準(143万円)よりもミルガウス116400GV(180万円)のほうが40万円近く高い価格帯。2007年当時、すごく注目度が高い腕時計だったということが分かります。
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2008年上半期
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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