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ヤマト運輸セールスドライバーの行動がSNSで話題「地域社会により愛される存在になるために」

SNSで「人助け」の様子が約97万いいね!

 コロナ禍、ウクライナ危機、エネルギーや食品の相次ぐ値上げ……。先が見通せない社会情勢が続き、暗いニュースが立ち込める割合が多くなっている。淀んだ空気が染みわたり、幾ばくかの生きづらさを感じる世の中だが、ふと周りを見渡せば心温まる出来事に出くわすこともしばしばだ。
ヤマト運輸

写真は、ヤマト運輸提供

 先日、Twitter上で「優しい」という1本の動画付きの投稿があった。それは「ヤマト運輸のセールスドライバーが『人助け』している」という投稿で大きな話題を呼び、約97万の「いいね」が付けられた。  車いす利用者が段差を登れずに困っているところを、ヤマト運輸のセールスドライバーが駆け寄って介助し、何事もなかったように車へ戻る様子に「優しい」「思いやりの行動で感動した」といった反響が寄せられた。  これを受け、ヤマト運輸の公式Twitterアカウント(@yamato_19191129)は、次のようにコメントを残したのだ。 <昨日の弊社社員の行いに対して多くのお褒め、労いのお言葉ありがとうございます。該当の社員とは連絡がとれており、これまでの他の模範となる取り組み同様、社内での共有を行ってまいります。また、これから先も地域の一員としてお役に立てるように社員一同邁進して参ります>  多くの人たちにとって(筆者も含めて)、混沌とした社会のなか、束の間の優しさに触れたような瞬間だった。  とはいえ、いざ人助けの行動を取ろうと思っても、とっさの判断ができずに結局何もできない。そんなこともざらにあるわけだが、いたって普通にヤマト運輸のセールスドライバーが行動できたのは、一体どのような社内教育あってのものなのだろうか──。広報担当者に話を聞いた。

社内に浸透する「社員行動指針」

 社会のインフラとして物流を支えるヤマト運輸は、企業理念の中で「社会から信頼される企業」であり続けることを掲げている(ヤマトホールディングスの公式サイトより)。  そして、企業理念に基づき日々の行動の中でとるべき、社員としての考え方あるべき姿を定めているのが「社員行動指針」だ。責任と良識をもって行動することや、誠実かつ謙虚な姿勢でお客様のニーズを汲み取ることなどがある。  セールスドライバーはこうした行動指針をもとに、配達を行い、地域社会との接点を深めているというわけだ。  また、障がい者の自立支援活動や社会的弱者に対するボランティア活動などへも積極的に参加し、性別や年齢、出身地などに寄らない多様性を尊重することで、地域社会から信頼される企業を目指しているという。  今回のツイートの件も、社員行動指針がしっかりと社内に浸透している証だと言える。大企業になればなるほど会社規模が大きくなり、社員数も多くなる。  そのぶん、社員行動指針を浸透させるのは難しくなるわけだが、セールスドライバーが車いす利用者を助けたのは、まさに日頃の社員教育が行き届いている賜物ではないだろうか。
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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