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「飛行機の機内食」製造現場を訪問。ファーストとエコノミーのコスト差は

機内食製造の現場

エミレーツ航空ファーストクラスの機内食(写真:北島幸司)

 今回、機内食製造会社に取材を依頼するとゲートグルメジャパンが応えてくれた。本社がスイスで世界のエアラインに機内食を供給する同社日本地区取締役から話を聞くことができた。  ゲートグルメジャパン有限会社(以下ゲートグルメ)の取締役、日本地区営業統括本部長 宮田康弘氏に聞いた。日本では成田、羽田と広島に拠点を持つ。3拠点で受注するエアラインの合計社数は16であり、その中で成田空港では機内食に定評のあるオーストリア航空、エミレーツ航空、タイ国際航空などに加え、羽田空港ではカンタス航空、ターキッシュエアラインズ、インドの新興エアラインのヴィスタラ航空が含まれる。

強みはどこに

 ゲートグルメの強みは欧州が拠点であるがゆえに、フレンチやイタリアンに強いシェフがいるというところにある。他にも中華、韓国、インド、タイ、トルコ料理や勿論日本にも和食専属シェフがおり、腕を磨いている。世界中でメニューレシピは社内公開されており、調理器具もしかり。どこにいても、本場の料理が作れることである。また、ユダヤ人向けのコーシャーミールを機内食で出せる日本で唯一の会社である。  機内食はエアラインの要望が企画という形であがってくる。メニューレシピを詳細に提示するエアラインもあれば、お任せに近い要望もあるという。それを形にして当該エアラインのカラーを出していくのが機内食製造会社の腕の見せ所だ。実際にサンプル料理が出来上がると、機内食会社のプレゼンテーションルームなどに料理が用意され、エアラインの機内食担当者に向けたお披露目が行われる。  コロナ禍においては、このプレゼンテーションがリモートになったことが劇的な変化のようだ。実際に食べることのできない状態でのプレゼンには多くの苦労があることと思われる。試食できないメニューをどう表現するか試行錯誤しながらの業務だという。

機内食製造の現場(写真:ゲートグルメ提供)

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機内食のコストは?
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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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