仕事

経験・学歴不問の職場のリアル「必要なのは軍手と安全靴、運転免許があるとなお良し」

軍手と安全靴があれば働ける。運転免許があれば待遇もアップ

車野村:僕は基本的に一人作業が好きで、チームワークとコミュニケーション重視のキラキラした職場は苦手なので、その意味では経歴や学歴不問の仕事はウマが合っていたのかもしれません。 ――労働観などに大きな変化はありました? 野村:「働ける仕事って、こんなにいっぱいあるんだ」とは思いましたね。肉体労働に関しては軍手と安全靴があれば働けます。どんなにテキトーな現場でも「絶対に安全靴は履け」とは、よく言われますね。工事現場とかで指をなくすって意外と珍しくないみたいで。  あと運転免許は大切だと感じました。普通自動車免許の有無で給料も仕事の幅も違うというか。自分の体ひとつ動かすだけだとキツいし、せいぜい日当1万5000円が限界なので。 ――仕事自体の大変さと給料の良し悪しも、もはや関係ないですね。

「ゴミも汚いけど、俺も汚ねえし」

野村竜二野村:振り返ってみると、ゴミにまつわる仕事が多かったんですが、汚い・臭いとかは本当にすぐ慣れます。僕の場合もともとの衛生観念が欠落していたのかもしれませんが。 ――バキュームカー作業員のルポで「臭すぎて吐いた人もいたけど、今も働き続けていて笑い話になっている」という、ほのぼのエピソードもありました。 野村:本当に無理って人もいるかもしれませんが、それに耐えられず辞めた人の話って意外と聞かなかったです。最初は気持ち悪いですけど、自分もゴミと同じぐらい汚れちゃったら、「ゴミも汚いけど、俺も汚ねえし」みたいな感覚で全然関係なくなりますね。 ――お仕事系の潜入取材の仕事を振られたら、また引き受けますか? 野村:もしまたやるなら、もっと長期的にやりたいですね。外国人実習生がたくさん働いている地方の地場産業の現場とか。雑誌の企画では長くて2〜3日、つまみ食いして観察する“卑怯な立場”という負い目があったので。まあ、やらないで済むならそれが一番良いなと思います。 <取材・文/伊藤綾、撮影/藤井厚年、一部提供写真(仕事の様子)>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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潜入ルポ 経験学歴不問の職場で働いてみた
コロナ渦による不況下の中、誰でも失業する危険は常にある。そんな時にいますぐ働ける職場を知っていたら、こんなに心強いことはないからだ。経験学歴不問の職場ではいくら稼げるのか、どれだけきついのか。実際に働きながら調べることで、読者が本当に知りたい“仕事の本質"が見えてきた。
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