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トンチンカンな野党と、無限大にヌルくなる与党/倉山満

3年で岸田首相に代わる、魅力ある党首を国民にアピールする

 そう言えば、新進党も55年体制打破を掲げて結成された。55年体制とは、野党第一党がやる気が無いので自民党の一党優位が続くことだ。日本維新の会も、55年体制の打破を掲げている。  維新は中長期計画を立て、次の総選挙で野党第一党に、次の次の総選挙で政権奪取との目標を掲げている。心意気や良し。今までは総選挙で勝利しても党首が総理大臣になれなかった。今回、代表に立候補しているのはいずれも国会議員なので、その矛盾は解消できる。  そもそも政党とは、「党首を総理大臣にすべく集まった集団」である。国民に「この人を総理大臣にしてほしい」と訴える集団だ。「3年で自民党に対抗できる政党を作る」となると高いハードルを感じるだろうが、「3年で岸田首相に代わる魅力ある党首を国民にアピールする」ならば、できなくはない。その程度、土井たか子でもやったし、鳩山由紀夫や菅直人は実際に政権を奪取した。

他県の国民にはピンとこない「大阪の改革を全国へ」

 ところで維新に限らず、自民党以外の政党の特徴がある。自民党は、良くも悪くも日本国民の縮図だ。自民党は理念らしい理念が無いゆえに、自民党の多数を得ようとする主張は、そのまま日本国民の多数となる。対して、自民党以外の政党は、党内の多数を得るための主張と、一般国民の多数を得る主張が異なってしまう。  たとえば、「大阪の改革を全国へ」と言われても、他県の国民にはピンとこない。  多くの課題があるので、マトモな野党第一党の登場を見守りたい。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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