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10年間で築いた自信、友情とは一味違う一体感が生み出す「i☆Ris」の魅力

「手紙 書き方 始まり方」って調べました(笑)

――ファンに向けた手紙を書くに当たって、どんなことを考えたのでしょうか。
久保田未夢

久保田未夢

久保田:手紙を書いたことないから、ネットで調べました。「手紙 書き方 始まり方」って(笑)。でも「拝啓〇〇」とか出てくるから、そういうのじゃないと思って、みんなからもらった手紙を読み返したんです。  そしたら、「みゆちゃ〜ん」って呼びかけで始まったり、「〇〇のライブお疲れさまでした」って挨拶から始まったり、本当に人それぞれぜんぜん違う。だから形式は気にせずみんなと同じように、思ったことをそのまま伝えようって感じで書き始めました。  読み返してみると、私のキャラに合わせた犬モチーフの便箋にしたり、ポケモンのシールを貼ってくれてたりして、みんな私のことを考えてくれてるんだな〜って改めて感じましたね。  でも、いざ書き始めたらどんどん書きたいことが浮かんできて。ああ、あれもこれも書きたいってなるけど、文字数に制限があったから、本当にたいへん。  しかも、人に見せるわけだからきれいに書きたい、いいことを書かなきゃっていろいろ考えちゃって時間がかかりました。マネージャーさんから「早く手紙ください〜い」って珍しい催促をされちゃいましたね(笑)。普通、あんまり言われないことですよね。手紙くださいって。

初めてのファンレター「誰かが見てくれているって思えた」

――10年間積み重ねてきたファンとのコミュニケーションのなかで、特に印象に残っていることは? 久保田:すごく覚えてるのは、初めてファンレターをもらったとき。合宿を終えて、初めて人前に出たのが名古屋の公園広場のイベントだったんですけど、そのすぐあとに手紙をもらったんです。  手紙の文字ががたがたで、タイミングを考えると、たぶんその場で便箋を買って、公園の石畳の上で書いたんじゃないかなって感じ(笑)。「すごく良かったと伝えたかった」って書いてあって、なんだかすごい仕事を始めちゃったんだなって思いました。  芸能の仕事を目指していたわけではなくて、アニメは大好きだったけど、アニメのキャラに手紙を書くなんて考えたこともなかったから。  とりあえず、経験も全く無いのになんとかやってるだけで、こんなにへたっぴなのに、そんなふうに思ってくれるなんて。どんなときでも誰かが自分のことを見てくれてるんだって感じました。  最近はありがたいことにソロパートをもらえているけれど、デビュー当時は本当に少なかったので。それこそ、照明あたってるかな……? って場所で歌って踊ることも多かったです(笑)。それでも見てくれる人はいるんだろうって思えたのは、あの手紙があったからかもしれません。ステージのどこに立っても、楽しむことはできると思って続けてきました。

「久保田さんにやってほしい」と言われた初めての楽曲

――自身の転機になったと感じる曲はありますか? 久保田:個人としての転機は「幻想曲WONDERLAND」です。歌は苦手だから、歌うのはサビだけでソロのパートはない曲も多かったんですけど、この曲では「セリフをお願いします。ここは久保田さんにやってほしいです」って言ってもらえて。  うれしかったけど、不安のほうが大きかったというか、不安しかなかった。ひとりで歌うパートもあって「ふええ〜大丈夫かな〜……」みたいな。  でも、「久保田さんにやってほしい」って言われたのが初めてだったから、自分の中での転機になりました。 ――スポットライトはあたっているのか……という場所にいるのは複雑だったけど、ライトがあたれば、それはそれで不安だと。 久保田:そうなんです(笑)。ライブごとにセリフを変える遊びを始めてみたら、毎回変えなきゃいけない感じになって、今日はどうしようってプレッシャーも。いまではそれも楽しめるようになったけど、レコーディングするときは特に緊張してた曲です。  この曲をやるたびに、思い出しますね。その当時の気持ち。初披露したときにファンのみんながすごく喜んでくれたっていうのも覚えてます。

「新規のファンの方はコールにびっくりしそう(笑)」

――続いて、グループにとっての転機とは。 久保田:5thシングル『徒太陽』のカップリング、「Happy New World☆」です。この時期は対バンイベントなどでアイドルさんと一緒になることが多かったんですけど、アイドル現場に合う楽曲がなかったんですよ。  当時はももクロ(ももいろクローバーZ)、でんぱ(組.inc)みたいなわちゃわちゃ楽しい曲か、AKB48のアップテンポでさわやかなアイドル曲が流行ってて。i☆Risの楽曲もすごくいいんですけど、アニメの主題歌が多かったから、作品の世界観があるので、アイドル現場では少し世界観が違ったのかな。  そんなときにこの曲が来て、マジでありがとう! って感じ。あの時代のi☆Risちゃんの楽曲のなかでは、明るく楽しく、レスを送りやすいアイドル現場にうってつけの曲でした。 ――そろそろ声出しライブが復活しつつあります。客席からの声援が楽しみですね。 久保田:たしかに。でも、コロナ禍で好きになってくれた人たちは、いわゆるコールが解禁されたらびっくりしちゃうんじゃないかな(笑)。i☆Risのライブ、結構すごいんですよ。

ちょっと変なグループだけど、それが魅力

――最後に、いまのi☆Risの魅力はどんなところにあると思いますか? i☆Ris 10th Anniversary Live~a Live~久保田:いろいろな作品のライブに出させてもらったことで改めて思ったんです。うちのグループちょっと変だなって。だってMC中に座りだしたり、人の話聞いてなかったり、ごはんを食べだしたり……。変ですよね(笑)。  曲は真剣にやってるけど、MCになった瞬間から急に各々が別の行動をする感じ。いいギャップだし、これはi☆Risでしか出せない味だろうなって思います。 【久保田未夢プロフィール】 ’95年、埼玉県生まれ。工業高校出身でアーク溶接の免許を持つ。12月17日に久保田がレギュラーMCを務める「ラジオアニメージュ」によるイベント「ラジオアニメージュのイベント8 〜ボタクとクボタと招かれし姫君〜」の開催が決定。推しは「『ゴールデンカムイ』です。「ゴールデンカムイ展」、東京でも3回行ったのに、福岡から新しいグッズが出たので、行って爆買しました」
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芹澤 優「初めて行った駅のモスバーガーで、ガン泣きしながら手紙を書きました(笑)」
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