更新日:2022年12月17日 20:53
ライフ

10代から脱毛症に悩んだ女性が人生激変したワケ。コンプレックスを武器に―2022年トップ10

「ライバー」として生きる決意

コスプレ

リスナーを飽きさせないため、コスプレすることも(提供写真)

 その後、整形外科に理学療法士として就職。ライバーと二足の草鞋を履くことになったが……。 「ただ自由に思い立ったことをしゃべるだけなのですが、毎週金曜日に“スナックつる”と名付けた配信を行っていました。少しずつファンがつくようになって、自信が持てたというか。自分が好きになれたんです。楽しんで配信しているうちに、イチナナのイベントで東京に呼ばれる機会も増えていきました。  その反面、理学療法士として働きながらの配信だったので時間的に両立の難しさを感じるようになって。職業柄、髪型を変えることができず、“このまま同じウィッグを一生被り続けるのかな?”と考えてしまうこともありました」  どちらがいま、本当にやりたいことなのか。すでに配信だけでも生計が立てられるようになっていた。彼女は「ライバー」1本でいこうと決意する。

抱えた葛藤「いつか本当のことを言わないといけない」

 理学療法士をやめてからは、さまざまなウィッグをコスプレ感覚で自由に着用し、配信するようになっていた。ただ、リスナーには自分が脱毛症とは伝えておらず、「後ろめたさもあった」と話す。 「リスナーからは『なんでいつもウィッグなんですか?』ってコメントがたびたびきていたのですが、はぐらかしていたんです。それに対して、いつか本当のことを言わないといけないと思っていました」  2021年、ついに“そのタイミング”がやってくる。  ライバーとして活躍していた彼女は、NHKの番組「沼にハマってきいてみた」(2021年2月16日放送回)で取材を受けることになった。その際に聞かれた「あなたの武器は?」の問いに「ウィッグですね」と答えたのだ。
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彼氏と「ハゲップル」として活動開始
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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