更新日:2022年12月13日 14:05
お金

あの丸亀製麺が“うどん以外”の展開で海外シェアを狙っていた…野望の全内幕

丸亀がやっている、うどん以外の麺類チェーンを知ってますか?

タムジャイ

「タムジャイ」公式ホームページより

 ここまで最初の中国進出失敗ばかりフォーカスしてしまいましたが、トリドールは海外ですでに成功を収めている企業です。  2022年12月現在で、トリドールは日本を除く29の国と地域に計675店舗を出店。海外事業はトリドールの柱のひとつとして数えられていて、一定の成果をあげています。  特に直近では先ほど紹介した売上収益920億円のうち、約88億円(※1)が海外事業によってもたらされたものです。円安による為替のプラスもありますが、トリドールの海外での奮闘が示されています。 (※1)記事公開当初「約880億円」と記載しておりましたが、「約88億円」の間違いです。誤解を招きましたことを、謹んでお詫びいたします。2022年12月13日

海外で成功するノウハウ

 トリドールの特長としては海外事業は丸亀製麵一辺倒ではないという点があります。  海外の丸亀製麺は約200店舗と海外店舗の約3分の1に留まります。トリドールはそれぞれの国に適した形で店舗を出店しており、その中でも特筆すべきなのがタムジャイです。  タムジャイは香港、中国、シンガポールに出店している香港で大人気の米線(ミーシェン)を使ったスパイスヌードル店です。  海外で約200店舗を展開しており、特に香港では圧倒的な人気を誇り、約180店舗が香港に集中しています。  香港を中心とした人気の結果、日本でも出店されるという逆輸入も発生しています。  タムジャイの成功を例にあげましたが、トリドールは海外で成功するノウハウやその国の嗜好に合わせる柔軟性を持ち合わせているということです。そのため、数百店舗規模の丸亀製麵を中国に出店するという構想は決して夢物語ではありません。  数年後には実現している可能性は十分にあるでしょう。
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うどんに限らず、世界ナンバー1を狙う野望
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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