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好調の「資さんうどん」が都内1号店をオープン。業界首位「丸亀製麺」の脅威になるか

うどんチェーン市場で首位を独走する丸亀製麺。 売上は1149億円(2024年3月期)と前年比(+127億円、+12,4%)と成長著しく過去最高を更新中である。店舗数も840店舗(2025年3月末時点)とダントツだ。 1位丸亀製麺と2位のはなまるうどんとでは、出店数で2倍以上、売上で3倍以上と大きな差があるのが現況だ。そういった環境の中、首位の丸亀製麺を脅かす存在になるかもしれないのが、資さんうどんである。
資さんうどん

資さんうどん

すかいらーく傘下に加わり成長を続ける資さんうどん

2024年10月にすかいらーくの傘下に入り、絶大な支援を受けながら全国展開を目指している。24時間営業と多様なニーズに対応した豊富なメニューで行列ができる店だ。 現在、売上約160億円と丸亀製麺からすれば小規模ではあるが、関東に進出した店舗の行列ぶりを見ると、その内に驚異の存在となるはずだ。 九州のソウルフードと異名を持つ、資さんうどんの出店を心待ちにしている人は各地域で多い。すかいらーくは、所有するセントラルキッチンや物流網などサプライチェーンのインフラを活用し、成長速度を早めていくだろう。 今年度内に首都圏を中心に21店舗の資さんを新たに出店する計画で、出店ペースを2026年以降は更に引き上げ、5年以内に200店舗超を目指すという。 店舗数だけを見れば872店舗の丸亀製麺に対し、殆どが大型店で販売面積は大規模ではあるものの、74店舗の資さんうどんとは大きな差があるのが現状だ。 外食売上3位、すかいらーくの傘下に10月加わったばかりで、これから成長業態として期待される資さんうどん。 一方、外食売上7位、トリドール傘下で中核業態である丸亀製麺。双方とも、多業態・多店舗を展開する企業の傘下である点は同じだが、グループ内でのポジショニングと成長フェーズは異なる。今後、うどん市場でのシェア拡大に向けた戦いは熾烈になりそうだ。

圧倒的な数字を見せる丸亀製麺

丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスは、売上2320億円(2024年3月期決算)の成長著しい外食企業である。 傘下でコア業態である丸亀製麺は、売上1149億円とグループの約50%を占めており、事業利益も183億円(前年同期比116億円、59%増)と、かなりの伸長度を見せている。事業利益率16,0%は驚異の収益力だ。 直近の業績も好調で、今期(2025年3月期4月~12月累計)の売上も972億円(前年同期比+12,1%)、事業利益159億円(前年比+15,4%)と増収増益で過去最高を更新中だ。 トリドールは現在、21のブランドを展開しており、適切なポートフォリオマネジメントができるように、モニタリング体制を強化している。 各ブランドを資本効率性、収益性、成長性で把握し、投資に対して優先順位付けすることも怠らない。
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丸亀製麺の強さは“人”にあり
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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