更新日:2022年12月13日 14:05
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あの丸亀製麺が“うどん以外”の展開で海外シェアを狙っていた…野望の全内幕

丸亀製麺が2度目の中国進出をそれでも進めるワケ

丸亀製麺「すみません、冷ぶっかけの並ください!」  トレイをスライドさせ、かしわ天の誘惑に負け、お会計は530円。お会計はPayPay。その後スプーン一杯分生姜を落とし、軽く天かすをひとすくい。そう、ここは筆者も大好きな丸亀製麺です。  日本のうどんチェーンの代表格であり、株式会社トリドールホールディングス(以下、トリドール)が運営しています。  すべての店舗で粉からうどんを作るこだわりで、日本国内の外食チェーンとして盤石の強さを誇っています。  先日、そんな丸亀製麵の中国への数百店舗規模の出店構想が明らかにされました。  丸亀製麵は2012年にも中国に進出し、約50店舗を展開していましたが新型コロナウイルス(以下、コロナ)の影響もあり撤退。今回の中国進出は再挑戦という形になります。  なぜトリドールは中国再挑戦を決断したのか。その背景には日本国内の外食産業が抱える構造的問題がありました。

トリドールの直近の業績は

 国内全体の状況を紹介する前に、まずはトリドール単体での直近の業績を見ていきましょう。結論から入るとトリドールの業績は非常に好調です。  11月17日に公表された第2四半期決算資料によると、売上収益は前年同期比20パーセント増の920億円、事業利益で見ても前年同期比19パーセント増の47億円です。  前年との比較ではコロナのダメージからの回復による増加と思われる方もいるかもしれませんが、いずれも上期においては過去最高となっています。物価の高騰を筆頭としたマイナス要因もある中でトリドールはしっかりと結果を出しています。  そして、今後の見通しも非常に明るいです。  同じく決算資料を見ると、営業利益・事業利益ともに通期での予想を上方修正。特に目を見張るのが、当期利益です。当期利益は期初計画の3倍以上の上方修正で13億円から40億円と大幅に増えています。  おそらく、中国事業の再構築(進出準備)がなければ利益は50億円を超える数字を出せていたという予測です。  では、なぜトリドールは目先での大きな成功に目をつむってでも一度失敗している中国の挑戦を決断したのでしょうか。ここで登場するのが日本国内の構造的問題です。
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少子化が丸亀製麺に突きつける問題
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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