ライフ

暴走族の迷惑行為「うるさい爆音」を鳴らして走る意外な理由

周囲に「今から信号無視しますよ〜!」と注意を促す

ナックルズTV

画像は、YouTube「ナックルズTV」の動画『【安全第一】暴走族がうるさい理由が意外すぎた【岩橋健一郎が語る】』より

 岩橋氏は、その理由についてこう言います。 「暴走族は大きな集団で暴走するわけです。もしもパトカーに追われている場合、ある程度スピードが出ているため、赤信号でいちいち停まってしまうと、後方で走っている仲間たちが突っ込んできてしまいます。そうすると当然、交差点の逆側で青信号で走ってくる一般車とも衝突してしまいますよね。そのため、基本的に集会中は赤信号でも止まれないわけです。  例えば、救急車などの緊急車両はサイレンを鳴らして周囲に注意を促しながら交差点に入りますよね。暴走族がよく単車につけている“ラッパ”(ホーン)ってあるじゃないですか。お馴染みの“パラヒラ、パラヒラ、パラヒラ”みたいな音がするやつです。それを鳴らしながら通るやつもいましたが、当時はラッパも高価でした。相場1本1万円くらいするものを何本もつけられるのは一部のお金持ちです。ただ、一般の暴走族にはそれはできなかったんです。  そこで手っ取り早い方法がマフラーを外して“直管”にすることでした。爆音になるのでその状態で暴走し、交差点を通過する時に『暴走族が来ましたよ、危ないから止まってください!』とばかりに吹かしまくり、注意を促すわけです。それが暴走族の“爆音”のルーツになっているとも言われています。  “カミナリ族”(※)と言われる私よりも上の世代の人たちの時代から、マフラーをうるさくすることで『自分はここにいるぞ!』と危険回避していました。ただ、時代が流れるとともに、ルーツを知らない若い子たちにも“暴走=爆音”が当たり前に広がっていきました」 (※)昭和30年代〜40年代あたりに公道をバイクで高速走行することを嗜好にしていた人たち

暴走族の花形“ストッパー”の存在

 そして、それが進化していくと「暴走族と一般車が接触事故を起こさないため」の大事な役割を担った“ストッパー”が登場します。 「ストッパーは暴走族の中でも花形的な存在で、集団のいちばん先頭に立って、信号が近づくといち早く交差点に入り、爆音で周囲に知らせ、青信号側の車両が交差点に入ってこないようにするんです。  暴走族の集団がその交差点を通り過ぎるまでその場で爆音を立てまくります。集団がすべて通過した後、自分たちもその集団に戻るというわけです」
次のページ
アクセルの吹かし方にも流行がある
1
2
3
伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ