お金

最新のベンツCクラスに乗ってみてわかった長所と5つの欠点

 クルマ好きの腕時計投資家、斉藤由貴生です。    普段、W140型Sクラスという、古き良き時代のメルセデスに乗っている私ですが、今回最新型のCクラス(W206)を3日間借りることができたため、最新のメルセデスベンツについてレビューしてみたいと思います。

ベンツの乗り味

W206型 C200セダン

W206型 C200セダン

 メルセデスベンツの味付けは、W220型Sクラスから日本車に近くなったといえますが、そうなったことにより、より多くの人に受け入れられる操作性になったといえます。  90年代まで、メルセデスベンツはステアリング機構に「ボール&ナット」式を用いていましたが、W210型Eクラスからは「ラック&ピニオン」を採用。ただ、W210は構造が変わったといえ、味付け自体はW202等、「ボール&ナット」を採用していた車種に近かったといえます。  それがW220型Sクラス以降からは、味付けが変化。それまでのベンツが「片手で運転しにくかった」のに対し、W220型からは、「マックのハンバーガーを食べながら、片手で運転できる」セッティングになったといえます。  W124等を愛する往年のベンツマニアからは、こういった味付けが嫌だという声もある一方、扱いやすくなったのも事実。私は、古いベンツも好きですが、片手で運転できるベンツは、「それはそれで楽で良い」と思います。  Cクラスは、2000年に登場したW203型から、イージードライブのほうへ舵を切ったといえるものの、W204型に至るまで、現行車と比べると、まだ「往年のドイツ車風味が強かった」といえます。  それが、現行の1つ前、W205型からは、さらに日本車に近くなり、乗った感覚を一言でいうならば「セルシオみたい」といった感じに。セルシオに近いとはいえ、コーナー時の踏ん張りなど、「ここぞ」という場面ではドイツ車らしさを見せるというのがW205の特徴だと感じましたが、今回のW206もそれに近いと思いました。

日本車に近くなったのは良いことか?

「日本車に近い」ということは、一見褒め言葉ではないように見えるかもしれませんが、決してネガティブな意味ではありません。  ベンツマニアが「名作」と認めるような古いメルセデスベンツ(90年代頃までの車種)は、初めて乗ったとき、「これのどこがいいの?」と思われるような硬さ、扱いづらさがある一方、長く乗っていると「だんだん良さがわかってくる」という感じがあります。乗ってから、1時間ぐらい運転し続けて初めて「良さ」が分かり、その後は何時間でも乗っていたくなるのがこの世代のベンツの特徴だといえます。  その一方で、それら古いベンツと同世代の日本車は、クラウンなどが代表するように「スーパースムーズ、イージードライブ」という味付け。当時のベンツとは真逆といえたわけです。こういった味付けの日本車は、乗り込んで運転し始めた瞬間は「すごく良い」となる一方で、30分も乗っていれば飽きてきて、2時間経てば体に疲れが出る、といった具合だったといえます。  つまり、90年代頃までのベンツは長距離が快適。一方、クラウンなどの日本車は、街乗りが快適だったわけです。  そして、現行Cクラスに代表されるような「日本車に近くなったベンツ」は、どうかというと、従来から定評のある長距離の快適性に加えて、街乗りといった近距離の快適性も「日本車並みに良くなった」ということになるわけです。
1つ前のCクラス、W205後期最終型の内装

1つ前のCクラス、W205後期最終型の内装

次のページ
Cクラスの良さ
1
2
3
4
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート
ハッシュタグ